三樹書房
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第78回 F項-22 Ferrari・9 275/330シリーズ
2019.5.27

(04-68b-35b) 1967 Ferrari 330 GTC Pininfarina Speciale.jpg
1967 Ferrari 330 GTC Special

【275シリーズ】
「250 SWB」「GTO」の後継として登場したのが1964年パリ・サロンでデビューした「275GTB」だ。このシリーズは「275GTB/C」「275GTB/4」と変化して、1968年後半「365GTB/4」にバトンタッチする。フロントエンジンはここまでで、この後はミッドシップとなり「365GTB/4 BB」、「512BB」、「テスタロッサ」、[512TR]、「F512M」と続く事になる。

(01)< 275GTB >
(写真01-1abc)1964 Ferrari 275 GTB Berlinetta (2011-10 ジャパン・クラシック・オートモビル/日本橋)
01-1 11-10-29_329 1964 Ferrari 275 GTB Berlinetta.JPG

01-1a 11-10-29_330 1964 Ferrari 275 GTB Berlinetta.JPG

01-1b 11-10-29_331 1964 Ferrari 275 GTB Berlinetta.JPG

01-1c 11-10-29_333 1964 Ferrari 275 GTB Berlinetta.JPG
「275GTB」には①2カム・ショートノーズ、②2カム・ロングノーズ、③4カム・ロングノーズの3つのバリエーションがある。写真の車は最初期のショートノーズ仕様で、「ボンネット中央にパワーバルジがない」「サイドウインドーの上の雨樋が短い」「トランクのヒンジが外から見えない」などの特徴がみられる。

(写真01-2ab) 1966 Ferrari 275GTB Berlinetta (1978-01 4th TACS/東京プリンスホテル)
01-2a (78-02-01) 1966 Ferrari 275 GTB Scaglietti Berlinetta  (Shortnose).jpg

01-2b (78-02-24) 1966 Ferrari 275 GTB.jpg
写真の車は約40年前にイベントで撮影したもので、当時はまだまだフェラーリは珍しくカラーで撮影した最初のフェラーリだったと思う。同時にモノクロで撮った写真が沢山残っている。

(写真01-3ab)1965 Ferrari 275GTB Berlinetta   (1989-11 5thモンテミリア/神戸)
01-3a 89-11-20 1965 Ferrari 275 GTB Scaglietti Berlinetta.jpg

01-3b 89-11-27 1965 Ferrari 275 GTB Scaglietti Berlinetta.jpg
1985年から5回にわたって開かれた関西地区の大イベントが、神戸のポートアイランド市民広場に集合し、六甲の山々を駆け巡る「モンテ・ミリア」だった。勿論本家イタリアの「ミッレ・ミリア」に倣ったもので、会場は赤い車で一杯だった。

(写真01-4ab)1965 Ferrari 275GTB Competition Berlinetta  (2004-08 ペブルビーチ)
01-4a (04-71-13) 1965 Ferrari 275GTB PininFarina Competition Speciale*.jpg

01-4b (04-71-14) 1965 Ferrari 275GTB Pininfarina Competition Speciale.jpg
この車は一見初期の「275GTB」の様だが、レース用に造られた全く別物だ。3台造られたレーシングモデルの2号車(シャシーNo.6885GT)のこの車の外観上の大きな特徴は、ラジエターグリル両脇にLM風の補助ライトが付き、スモールランプも膨らみを持って張り出している。またリアフェンダーには市販車には見られない3本のルーバーが切られている。
ボディはアルミで軽量化をはかり、エンジンに関しても同じ仕様ながらブロックにも軽い特殊合金を、カムカバーを始め付属品はマグネシュームの鋳造品が使われた。ホモロゲーションを獲得するため見た目は市販車と大きく変わらないよう仕上げたが、今一歩のところで計画は実現しなかった。それは計量で公称重量よりも200kg 前後軽いことが判り、誤差3%のリミットを大きく超えたためで、折角軽量化を図ったにも拘らずバラストを積んで重量を増やして公認された。このイエローの塗装はベルギーのエキュリー・フランコルシャンのエントリーで「ルマン24時間レース」に参加した際のカラーで、本番ではオーバーヒートに悩まされ、フロントにゼッケン番号に届くほど大きな穴を急遽切り抜いて対応し何とか総合3位(GTクラス優勝)でフィニッシュした。

(写真01-5ab)1966 Ferrari 275GTB Berlinetta   (1999-08 コンコルソ・イタリアーノ)
01-5a (99-13-22) 1966 Ferrari 275 GTB/C Scaglietta Berlinetta.jpg

01-5b (99-18-22) 1966 Ferrari 275 GTB/C Scaglietti Berlinetta.jpg
シングル・カムの「275GTB」のバリエーションの一つ「ロング・ノーズ」タイプがこの車だ。「ボンネットが長い」と一言でいっても、比較対象が無ければ判定できないが、見分ける特徴は窓の上の雨樋の長さで、後ろのベンチレーションの穴まで届いていれば「ロングノーズ」だ。


(02)<275GTS>
1966年「275GTB」と同時に発売された「275GTS」は、1963年で発売が終わった「250GTスパイダー・カリフォルニア」の後継として登場した。機構的には姉妹車「275GTB」と大差ないが、性格的にはレースなどの過激な走りよりも、優雅なオープン・ドライブを楽しむ車として位置付けされ、出力も低めな260hpに抑えられている。

(写真02-1a)1965 Ferrari 275GTS Spider    (1998-08 コンコルソ・イタリアーノ)
02-1a (98-19-31) 1965 Ferrari 275 GTS Pininfarina Spider.jpg
ずらりと並んだフェラーリの群れ。2台目の黄色はベルギーの「ナショナル・レーシング・カラー」で、フェラーリとしては割合に多く見られるカラーだ。

(写真02-2ab)1965 Ferrari 275GTS Spider     (1995-08 コンコルソ・イタリアーノ)
02-2a (95-37-10) 1965 Ferrari 275 GTS Piminfarina Spider.jpg

02-2b(95-37-11) 1965 Ferrari 275 GTS Pininfarina Spider.jpg
「275GTB」のデザインは「ピニンファリナ」で、造ったのは「スカリエッティ」だったが、「275GTS」は両方とも「ピニンファリナ」が行った。デザインは後年の「330」に通じるエッジの付いた顔付となった。

(写真02-3abc) 1965 Ferrari 275 GTS Spider    (2004-08 ラグナセカ/カリフォルニア)
02-3a(04-76-01) 1965 Ferrari 275 GTS.jpg

02-3b (04-75-34a) 1965 Ferrari 275 GTS(ラグナセカ).jpg

02-3c (04-75-35) 1965 Ferrari 275 GTS.jpg
フェラーリにはこれ迄には型式を示すバッジ類が付いていないのが当たり前だったが、この車には後ろのトランクに「275」のバッジが付いている。イタリアで撮った写真にはついていないので「アメリカ仕様」かもしれない。


(03)<275BTB/4>

「マセラティ」や「ランボルギーニ」など競合メーカーが次々と高性能車でフェラーリを脅かすのに対抗して1966年のパリ・ショーにデビューしたのが「275GTB/4」だ。追加された「4」はカムシャフトの数で、「DOHC」(ツイン・カム)だがV型エンジンのためカムシャフトが4本あるからだ。ツイン・カムはフェラーリの市販GTとしては初めて採用された。

(写真03-1a~e)1965 Ferrari 275GTB/4 Berlinetta (2010-07 フェスティバル・オブ・スピード/イギリス)
03-1a 10-07-03_0673 1965 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta.JPG

03-1b 10-07-03_0674 1965 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta.JPG

03-1c 10-07-03_0675 1965 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta.JPG

03-1d 10-07-03_0676 1965 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta.JPG

03-1e 10-07-03_0677 1965 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta.JPG
ボンネットは勿論「ロングノーズ」で、控えめのパワーバルジ(とは言えない程の)なだらかなスロープを持つふくらみは以前のモデルとは異なる。もう一つの特徴はリア・トランクのヒンジが外付けになった事だ。

(写真03-2a~d)1966 Ferrari 275 GTB/4 Berlinetta (2010-07 コンクール・デレガンス/お台場潮風公園)
03-2a 10-07-22_326 1966 Ferrari 275GTB/4.JPG

03-2ba 10-07-22_325 1966 Ferrari 275GTB/4.JPG

03-2c b 10-07-22_330 1966 Ferrari 275GTB/4.JPG

03-2d 10-07-22_329 1966 Ferrari 275GTB/4.JPG
日本国内で開催されたイベントで捉えた非常に良いコンディションの「275GTB/4」だ。この車が履いているホイールはオリジナルの「カンパニヨーロ」のアルミホイールと思われる。この車はレース仕様らしく大型の給油キャップが付いている。

(写真03-3abc) 1967 Ferrari 275GTB/4 Berlinetta    (1995-08 コンコルソ・イタリアーノ)
03-3a (95-37-17) 1967 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta.jpg

03-3b (95-37-16) 1967 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta(C/N:09559).jpg

03-3c  (95-37-18) 1967 Ferrari 275 GTB/4 Scaglietti Berlinetta.jpg
赤い車だらけの「コンコルソ・イタリアーノ」の中では、同じイタリア車ながらこの色はかえって目立つ存在だ。後ろ姿に見えるナンバープレートは「67GTB4」と誠に分かり易い身分証明だ。「ボラーニ」のワイヤホイールはオリジナルのオプションとして用意されたものだ。

(写真03-4a~d) 1967 Ferrari 275GTB/4 Berlinetta (1978-01 4thTACS/東京プリンスホテル)
03-4a (78-02-34) 1967 Ferarri 275 GT/4.jpg

03-4b (78-02-03) 1967 Ferrari 275 GTB/4.jpg

03-4c (78-02-22) 1967 Ferrari 275 GTB/4.jpg

03-4d (78-02-23).jpg 
1978年と言えば今から40年以上前のことで,僕のカメラはモノクロが主流だった。この時はカラーフィルムを2本持って行ったので、各車色見本を1枚だけという時代は過ぎて、この車については4枚撮っている。(勿論モノクロではもっと撮っている。)横から撮った写真には奥に「ショートノーズ」が写っているので、この車が「ロングノーズ」ということがよく判る・


(04)<275GTS/4 NARTスパイダー>
「スパイダー・カリフォルニア」の時と同じように、カリフォルニアでフェラーリのデーラーを営む「ルイジ・キネッティ」の要請で誕生したモデルで、機構的にはベースとなったベルリネッタと変わらず、ボディも屋根部分を除いて全く同じに見える。全部で10台が造られた。

(写真04-1ab)1967 Ferrari 275GTS/4S NARTスパイダー    (1995-08ペブルビーチ)
04-1a (95-26-25) 1967 Ferrari 275GTB/4S NART Spider(#10749).jpg

04-1b (95-27-18) 1967 Ferrari 275 GTB/4S Scarlietti N.A.R.T. Spyder.jpg 
10台造られたうち9台がアメリカに渡ったといわれるこの車は、明るいカリフォルニアの陽光の下でオープンで走る姿が一番似合うだろう。赤いフェラーリばかり見慣れた目には、シルバーの塗装も悪くない。

(写真04-2a~e)1967 Ferrari 275GTS/4S NARTスパイダー(1989-11 5thモンテ・ミリア/神戸)
04-2a 89-11-34 1967 Ferrari 275 GTS/4 N.A.R.T. Spider.jpg

04-2b 89-14-04 1967 Ferrari 275 GTS/4 N.A.R.T. Spider.jpg

04-2c 89-11-35 1967 Ferrari 275 GTS/4 N.A.R.T. Spider.jpg

04-2d 89-11-32 1967 Ferrari 275 GTB/4 N.A.R.T, Spider.jpg

04-2e 89-11-31 1967 Ferrari 275 GTB/4 N.A.R.T. Spider.jpg
神戸の市民広場に並んだ3台のフェラーリは正面左から「250GT ボアノ」、「275GTB」「275GTS/4 NART」」だ。10台しか造られなかったと言われる貴重な車だが、バブル華やかな一時代には、貴重な車が随分と国内に足跡を残した。


【330シリーズ】
「250GT 2+2」の流れをくむ「330シリーズ」は、1963年の「330LMB」、「330アメリカ」を経て1964年の「330GT 2+2」、1966年の「330GTC/330GTS」とロードカーとしてのキャラクターを持っていた。

(05a)<330LMB>
1962年ルマンで優勝した4リッターのレース用エンジンを熟成し、それを搭載した車が「330LMB」だ。これが「330シリーズ」のスタートとなった。

(写真05-0abc)1963 Ferrari 330LMB Berlinetta   (2004-08 ラグナセカ/カリフォルニア)
05-0a(04-56-15) 1963 Ferari 330 LMB.jpg

05-0b (04-56-14) 1963 Ferrari 330 LMB(ラグナ・セカ).jpg

05-0c (04-56-16) 1963 Ferrari 330 LMB.jpg
この車を前から見れば一見「250GTO」に見える。それもその筈で「250GTベルリネッタ・ルッソ」に「GTO」のノーズを付けて、「400SA」系のエンジンを載せたのがこの車だ。
 

(05b))<330アメリカ>

(写真05-1abc)1960 Ferrari 250GTE 2+2 400SA(2009-03 東京コンクールデレガンス/六本木ヒルズ)
..........05-1 09-03-26_171b.jpg

05-1a 09-03-26_172 1960 Ferrari 250 GTE 2+2 400SA.JPG

05-1b 09-03-26_173.JPG

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この車は案内板によると1960年に造られており、「250 2+2」のプロトタイプともいうべき車のようだが、1963年誕生する「330アメリカ」にとっても原点と言える。外見は「250GT」
と同じ車に、「400SA」の4リッターエンジンを積んで「330アメリカ」となったからだ。
面白いのは「400スーパーアメリカ(SA)」では「400」は総排気量に因んだものだが、同じ排気量でも「GTシリーズ」では1気筒当たりの「330」(330x12=3960)と変わることだ。


(06)<330GT 2+2>
4リッターのエンジンを載せた本格的な2+2は1964年初めに発表された。ホイールベースは「250GT2+2」より10cm延長され後部座席にも余裕ができた。初期型では当時デザインを担当したのがアメリカ人だった所為か、流行りの「4灯式」が採用されたが不評で、後期型では通常の「2灯式」となった。

(写真06-1abc)1964 Ferrari 330GT 2+2 Coupe       (1986-11 2ndモンテミリア/神戸)
06-1a 86-11a-24 1964 Ferrari 330GT 2+2 Pininfarina Coupe.jpg

06-1b 86-11a-25 1964 Ferrari 330GT 2+2 Pininfarina Coupe.jpg

06-1c 86-11a-26 1964 Ferrari 330GT 2+2 Pininnfarina Coupe.jpg
この車を最初見たときは、この「チャイニーズ・アイ」と呼ばれる釣り目のヘッドライトには少なからず違和感を持った。勿論このタイプの車は今迄に何台も見ていた筈だが、フェラーリのイメージとはぴったりしないと感じたのだ。だからこの写真を撮った時はあまり「やったー!」という高揚感は無かった。何故だろう。それはあまりにもアメリカ風だったからかもしれない。

(写真06-2abc)1964 Ferrari 330GT 2+2 Coupe (1998-08 カーメル市内/カリフォルニア)
06-2a (98-21-11) 1964 Ferrari 330GT 2+2 Pininfarina Coupe.jpg

06-2b (98-21-18) 1964 Ferrari 330GT 2+2 Pininfarina Coupe.jpg

06-2c (98-21-15) 1964 Ferrari 330GT 2+2 Pininfarina Cpupe.jpg
同じ四ツ目のフェラーリだが、アメリカで見た時は、悪い印象ではなかった。周りの景色や、明るい赤い車だったからだろうか。場所はカーメル市内で、背景は革製品の有名ブランド「コーチ」の店だ。(ここで家内にお土産を買った)

(写真06-3ab)1966 Ferrari 330GT 2+2 Coupe    (1996-08ラグナセカ/カリフォルニア)
06-3a (98-21-32) 1966 Ferrari  330GT 2+2 Pininfarina  Coupe(Late type).jpg

06-3b (98-21-33) 1966 Ferrari 330GT 2+2 Pininfarina Coupe(Late type).jpg 
2年続いた「四ツ目」はあまり評判が良くなかったと見え、1966年早々に普通の「二つ目」に変わった。やっぱりこの方がフェラーリらしいか、と思うのは僕の私見だが。

(07)<330GTC>
「2+2」から始まった「330」シリーズは、1966年になると「2人乗り」の軽快さを売りにしたクーペ「330GTC」を発表した。キャビンの大きめな「ベルリネッタ」ではなく「クーペ」を選んだのは、「2+2」との違いを強調したかったのだろうか。大ヒットとなったこのモデルは約600台が生産された・

(写真07-1a~d) 1966 Ferrari330 GTC Coupe     (2001-05 ミッレ・ミリア/ブレシア)
07-1a (01-19-27) 1966-8 Ferrari 330 GTC Pininfarina Coupe.jpg

07-1b (01-19-26) 1966-8 Ferrari 330 GTC Pininfarina Coupe.jpg

07-1c (01-19-25) 1966-8 Ferrari 330 GTC Pininfarina Coupe.jpg

07-1d (01-19-23) 1966-8 Ferrari 330 GTC Pininfarina Coupe.jpg
「330GTC」は「400スーパーアメリカ」の高級車イメージにあやかる様に「つぼまった」楕円のグリルを持ってデビューした。イメージとは不思議なもので、「400」と「330」だと「400」の方が大きいと思うが、両方とも排気量は「4リッター」で同じだ。撮影場所はミッレミリアの車検場からスタート地点へ向かう途中で、この日は町中のいたるところに素敵な車がゴロゴロしている。

(写真07-2ab)1966 Ferrari 330GTC Coupe    (1999-08 コンコルソ・イタリアーノ)
07-2a(99-18-31) 1966-8 Ferrari 330 GTC Pininfarina Coupe.jpg

07-2b (99-18-30) 1966-8 Ferrari 330 GTC Pininfarina Coupe.jpg
2台並んだ黄色と赤の「330BTC」は、8月のカリフォルニアで開かれる「コンコルソ・イタリアーノ」で撮影したものだ。このイベントはアメリカ中のイタリア車が全部集まったかと思うほどにイタリア車で溢れている。会場のアナウンスはイタリア語で、ステージのアトラクションはカンツォーネと、アメリカに住むイタリア系の人たちにとっては素晴らしい1日だろう。

(写真07-3-ab) 1967 Ferrari 330GTC Pininnfarina Special    (2004-08 ペブルビーチ)
07-3a (04-68b-34) 1967 Ferrari 330 GTC Pininfarina Speciale*.jpg

07-3b (04-68b-35) 1967 Ferrari 330 GTC Pininfarina Speciale.jpg
ピニンファリナの手で4台だけ造られたのが「スペチアーレ」と名付けられたこのモデルだ。前半分は一寸伸ばされてヘッドライトにカバーが付きスーパーアメリカとそっくりだ。
後ろ半分は伝説の名車1954「375MMバーグマン・クーペ」のモチーフがそっくり取り込まれている。
*女優バーグマンのために当時の夫だったロッセリーニ監督が特注したスペシャルで、縦のリアウインドウと両サイドに流れるようなフィンは、後年いろいろな車に使われる独特なデザインだ。

(写真07-4abc)1967 Ferrari 330GTC Michlotti Special (2010-07 フェスティバル・オブ・スピード/イギリス)
07-4 10-07-03_0582 1967 Ferrari 330 GT Michelotti.jpg

07-4a 10-07-03_0583 1967 Ferrari 330 GT Michelotti.JPG

07-4b 10-07-03_0592 1967 Ferrari 330 GT Michelotti.JPG

07-4c 10-07-03_0589 1967 Ferrari 330 GT Michelotti.JPG
ミケロッティも「330GTC」をベースにスペシャルを造った。顔付きは「フェラーリ・ディーノ」のフィアット版「ディーノ2000」とよく似ている。後姿はキャビンが小さい分、トランクの占める面積が広いがエッジで引き締めている。


(08)<330GTS>
「275GTS」の後継車となる「330GTS」は、「275」の時と違って「330GTC」そのものをオープンにしただけで、別物ではなかった。

(写真08-1abc)1967 Ferrari 330GTS Spider  (1995-08 モンタレー市内オークション会場)
08-1a (95-13-37E) 1967 Ferrari 330 GTS Pininfarina  Spyder.jpg

08-1b (95-14-01) 1967 Ferrari 330 GTS Pininfarina Spider.jpg

08-1c (95-14-02) 1967 FErrari 330 GTS Pininfarina Spider.jpg
「330GTS」は見ての通り「GTC」とは屋根がないだけで、全く同じだ。330シリーズには全てトランクに「330」のバッジが付いている。撮影した場所はモンタレー市内のコンベンション・ホールで、毎年8月にはこの周辺でクラシックカーのイベントが幾つも開かれる。集った宿泊客を目当てに夕方からオークションが始まり、素晴らしいクラシックカーたちが次々とステージに登場するのだ。

(写真08-2abc) 1966 Ferrari 330GTS Spider (1995-08 ,2004-08/イタリアーノ、カーメル市内)
08-2a (95-35-29) 1966 Ferrari 330 GTS  Pininfariha Spider.jpg

08-2b (95-03-18) 1966-7 Ferrari 330 GTS Pininfarina Spider.jpg

08-2c (04-40-19) 1967 Ferrari 330 GTS(カーメル市内).jpg
最後は全く同じ「330GTS」の色変わりを3台お目にかけて今回終了とさせて頂く。


― 今回「365シリーズ」まで予定していましたが一杯になってしまい次回に回しました ―


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第105回 L項-6 「リンカーン・1」

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第103回 L項-4 「ランチャ・1」

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第97回 J項-4 「ジャガー・4」(大型サルーン、中型サルーン)

第96回 J項-3 「ジャガー・3」 (E-type、レーシング・モデル)

第95回 J項-2 「ジャガ-・2」(XK120、XK140、XK150、C-type、D-type、XKSS)

第94回 J項-1  「ジャガー・1」(スワロー・サイドカー、SS-1、SS-2、SS-90、SS-100)

第93回 I項-2 「イターラ」「イソ」「いすゞ」

第92回 I項-1 「インペリアル、イノチェンティ、インターメカニカ、インビクタ、イソッタ・フラスキーニ」

第91回 H項-8 「ホンダ・5(F1への挑戦)」

第90回 H項-7 「ホンダ・4(1300(空冷)、シビック(水冷)、NSX ほか)」

第89回  H項-6 「ホンダ・3(軽自動車N360、ライフ、バモス・ホンダ)」

第88回 H項-5 「ホンダ・2(T/Sシリーズ)」

第87回  H項-4 「ホンダ・1」

第86回 H項-3 「ホールデン」「ホープスター」「ホルヒ」「オチキス」「ハドソン」「ハンバー」

第85回 H項-2 日野自動車、イスパノ・スイザ

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第79回  F項-23 Ferrari ・10<365/375/410/400SA/500SF>

第78回 F項-22 Ferrari・9 275/330シリーズ

第77回 F項-21 Ferrari・8<ミッドシップ・エンジン>

第76回 F項-20 Ferrari・7 <テスタ ロッサ>(500TR/335スポルト/250TR)

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第65回 F項-9 Fiat・2

第64回 F項-8 Fiat・1

第63回 F項-7 フォード・4(1946~63年)

第62回 F項-6 フォード・3

第61回 F項-5 フォード・2(A型・B型)

第60回 F項-4 フォード・1

第59回 F項-3(英国フォード)
モデルY、アングリア、エスコート、プリフェクト、
コルチナ、パイロット、コンサル、ゼファー、ゾディアック、
コンサル・クラシック、コルセア、コンサル・カプリ、

第58回  F項-2 フランクリン(米)、フレーザー(米)、フレーザー・ナッシュ(英)、フォード(仏)、フォード(独)

第57回 F項-1 ファセル(仏)、ファーガソン(英)、フライング・フェザー(日)、フジキャビン(日)、F/FⅡ(日)

第56回 E項-1 エドセル、エドワード、E.R.A、エルミニ、エセックス、エヴァ、エクスキャリバー

第55回  D項-8 デューセンバーグ・2

第54回 D項-7 デューセンバーグ・1

第53回  D項-6 デソート/ダッジ

第52回 D項-5 デ・トマゾ

第51回 D項-4 デイムラー(英)

第50回 D項-3 ダイムラー(ドイツ)

第49回  D項-2 DeDion-Bouton~Du Pont

第48回 D項-1 DAF~DeCoucy

第47回 C項-15 クライスラー/インペリアル(2)

第46回 C項-14 クライスラー/インペリアル

第45回 C項-13 「コルベット」

第44回 C項-12 「シボレー・2」(1950~) 

第43回 C項-11 「シボレー・1」(戦前~1940年代) 

第42回  C項-10 「コブラ」「コロンボ」「コメット」「コメート」「コンパウンド」「コンノート」「コンチネンタル」「クレイン・シンプレックス」「カニンガム」「カーチス]

第41回 C項-9 シトロエン(4) 2CVの後継車

第40回  C項-8シトロエン2CV

第39回  C項-7 シトロエン2 DS/ID SM 特殊車輛 トラック スポーツカー

第38回  C項-6 シトロエン 1 戦前/トラクションアバン (仏) 1919~

第37回 C項-5 「チシタリア」「クーパー」「コード」「クロスレー」

第36回 C項-4 カール・メッツ、ケーターハム他

第35回 C項-3 キャディラック(3)1958~69年 

第34回  C項-2 キャディラック(2)

第33回 C項-1 キャディラック(1)戦前

第32回  B項-13  ブガッティ(5)

第31回 B項-12 ブガッティ (4)

第30回  B項-11 ブガッティ(3) 

第29回 B項-10 ブガッティ(2) 速く走るために造られた車たち

第28回 B項-9 ブガッティ(1)

第27回 B項-8 ビュイック

第26回 B項-7  BMW(3) 戦後2  快進撃はじまる

第25回 B項-6 BMW(2) 戦後

第24回  B項-5   BMW(1) 戦前

第23回   B項-4(Bl~Bs)

第22回 B項-3 ベントレー(2)

第21回 B項-2 ベントレー(1)

第20回 B項-1 Baker Electric (米)

第19回  A項18 オースチン・ヒーレー(3)

第18回  A項・17 オースチン(2)

第17回 A項-16 オースチン(1)

第16回 戦後のアウトウニオン

第15回  アウディ・1

第14回 A項 <Ar-Av>

第13回  A項・12 アストンマーチン(3)

第12回 A項・11 アストンマーチン(2)

第11回  A項-10 アストン・マーチン(1)

第10回 A項・9 Al-As

第9回 アルファ・ロメオ モントリオール/ティーポ33

第8回 アルファ・ロメオとザガート

第7回 アルファ・ロメオ・4

第6回 アルファ・ロメオ・3

第5回 アルファ・ロメオ・2

第4回  A項・3 アルファ・ロメオ-1

第3回  A項・2(Ac-Al)

第2回  「A項・1 アバルト」(Ab-Ab)

第1回特別編 千葉市と千葉トヨペット主催:浅井貞彦写真展「60年代街角で見たクルマたち」開催によせて

執筆者プロフィール

1934年(昭和9年)静岡生まれ。1953年県立静岡高等学校卒業後、金融機関に勤務。中学2年生の時に写真に興味を持ち、自動車の写真を撮り始めて以来独学で研究を重ね、1952年ライカタイプの「キヤノンⅢ型」を手始めに、「コンタックスⅡa」、「アサヒペンタックスAP型」など機種は変わっても一眼レフを愛用し、自動車ひとすじに50年あまり撮影しつづけている。撮影技術だけでなく機材や暗室処理にも関心を持ち、1953年(昭和28年)1月には戦後初の国産カラーフィルム「さくら天然色フィルム」(リバーサル)による作品を残している。著書に約1万3000余コマのモノクロフィルムからまとめた『60年代 街角で見たクルマたち【ヨーロッパ編】』『同【アメリカ車編】』『同【日本車・珍車編】』『浅井貞彦写真集 ダットサン 歴代のモデルたちとその記録』(いずれも三樹書房)がある。

関連書籍
浅井貞彦写真集 ダットサン 歴代のモデルたちとその記録
60年代 街角で見たクルマたち【ヨーロッパ車編】
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