三樹書房
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第62回 F項-6 フォード・3
2018.1.27

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1937 Ford Station Wagon

アメリカ車は毎年モデルチェンジをするのが当たり前のように思っているが、この習慣が始まったのは1933/34年からで、それは「フォード」対「シボレー」の熾烈な競争の結果生まれたものだ。
・戦前の大衆車にV8エンジンを搭載していたのはフォード社のみだったが、それは年々改良が加えられて行った。1932-33 V8-18型 3621cc 65hp、1934~36 V8-40,48,68型 3621cc 75~85hp、1937~42 V8-81A~21A型 3621cc 85~90hpと続く。1932~35年は4気筒と併用されていたが1936年にはV8のみとなった。しかし翌1937年からは4気筒に変わる小型V8が登場し1940年まで製造された。V8-74,82A,922A 2228cc 40-60hpのスペックで大型の「パワフル」に対して「エコノミー」と呼ばれた。

(写真33-1ab) 1933 Ford V8 Deluxe Tudor   (1998-02 オーランド/フロリダ)
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クラシックカーと呼ばれない古い大衆車は日本のイベントではあまり見ることが出来ない。しかしアメリカではまだまだ大量にストックされており、オリジナルの儘だったり、改造車のベースとなったりして多くの愛好者によって大切に守られている。写真はフロリダ州オーランドで土曜日の午後開かれた小規模のローカルイベントで撮影したもので、ボディはオリジナルだがホイールは改造されている。

(写真33-2ab)1933 Ford V8 Deluxe Three Windou Coupe (1998-02 オーランド/フロリダ)
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この車も同じイベントで撮影したもので、この「あごのしゃくれたハート形」のグリルは世界中の多くの車に影響を与えた。ダットサンやシトロエンもその一例だ。

(写真33-3ab)1933 Ford Model B Deluxe Fodor (2017 10 日本自動車博物館)
33-3a 17-10-11_208 ハート形で一寸あごのしゃくれたグリル.JPG

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この年V8と併売されていた4気筒モデルで、左ハンドルなので国内生産ではなさそうだ。金沢近くにある「日本自動車博物館」は多くの外国車も素晴らしいが、特筆すべきは国産車のコレクションで、今や世界に誇る日本の自動車産業が揺籃期だったころの貴重な車は一見の価値がある。

(写真34-1abc)1934 Ford Model C Deluxe Phaeton (1985-01 TACSミーティング/明治公園)
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写真の車は東京工業大学が所有するフォードで、「モデルC」と登録されていた。フォードの場合「モデルT,A,B」までは一般的に認識されているが、1934年になると特にモデル名は付けないで「1934年型」で纏めて扱って来たようだ。しかしこの年の4気筒エンジンの形式は「C型」とされているから、1932年が「B型」エンジンで「モデルB」だったら「モデルC」と呼ばれるのが正式名だろう。ただしこの扱いは4気筒エンジンの製造が延長された日本国内限定の扱いかも知れない。「モデルC」という表示を使った記事を僕は見たことがない。

(写真34-2ab)1934 Ford Type40 Deluxe Tudor (2002-02 レトロモビル/パリ)
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パリのレトロモビルで撮影したこのフォードのプレートには「Ford V8 40」と記されていた。「40」はこの年のエンジンの形式「V8-40」に由来するものだが,「40」だけで「1934年型V8エンジン付き」を表す意味を持っている。30年代のV8に詳しい「The Early Ford V8」の記載には、①Tudor(40-700)、②Roadster (40-710)、③Coupe 3-window(40-720)、④Fordor(40-730)、⑤Victoria(40-740)、⑥Phaeton(40-750)、⑦Cabriolet(40-760)、⑧Coupe 5-window(40-770)、とボディタイプ別に細かく区分されている。

(写真34-3abc)1934 Ford Type40 Deluxe Fordor     (2007-04 トヨタ自動車博物館)
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トヨタ博物館に展示されているこの車は流石に完璧にオリジナルで、サイドの赤いラインが利いている。  

(写真34-4ab)1934 Ford Type40 Rollston All Weather Cabriolet (1998-08 ペブルビーチ/カリフォルニア)
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堂々たる貫禄を見せるこの車は、カタログ・モデルではなく、有名なコーチビルダー「ロールストン」によるスペシャルボディだ。格式高いペブルビーチのコンクールで「オールウエザー・カブリオレ」として出展されているから認めざるを得ないが、本来はランドウジョイントの付いたカブリオレに、しっかりしたサイドプロテクターを持ったオープンとクローズ両面の居住性を完備した全天候型のことを言う。僕の見た目ではこのタイプはどう見ても「タウンカー」だがボディタイプの呼び方はメーカー次第だ。

(写真34-5abc)1934 Ford Deluxe Phaeton        (2017-10 日本自動車博物館)
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この車は完全にオープンになる「フェートン」で、冬季はサイドに簡易プロテクターを付けて風を防ぐ事が出来るが完全ではない。現代ではオープンカーはお洒落な車だが1930年代には大勢乗れて値段の安いこのタイプが最もポピユラーな車だった。

(写真34-6ab)1934 Ford V8 Brewster Town Car (Type40) (1998-08 ペブルビーチ)
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一度見たら絶対忘れられない除雪車が雪かきをしているようなこの車は、アメリカ製ロールスロイスのボディをも手掛けた「ブリュースター」社の特注ボディだ。特異な顔立ちだがこのほかにも何台か造られたようだ。ボディも凝った造りで、籐で編んだ模様を張ったお洒落なタウンカーだ。

(写真35-1abc)1935 Ford V8 Deluxe Tudor (Type48)     (1981-05 筑波サーキット)
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1935年はボディに大革命を起こした年で、それまではフロント・アクスルより後ろに位置していたエンジンがずっと前進して、その分キャビンがぐっと広くとれるようになった。現代の我々の目から見れば古典的なスタイルから近代的に変化したと見えるが、当時の人には随分馴染めない違和感を感じた事だろう。

(写真35-2abc)1935 Ford V8 Glaster Cabriolet (Type48) (1998-08 ペブルビーチ)
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大衆車「フォード」が格式高いペブルビーチ・コンクールに登場するにはカタログ・モデルではとても相手にしてもらえないだろう。写真の車もカタログにはない「カブリオレ」で、派手なランドウジョイントと、突き出たお尻が特徴だ。

(写真35-3a~d)1935 Ford V8 Kellner Panel Brougham (Type48) (1998-08 ペブルビーチ)
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この車もペブルビーチ・コンクールに出展されたもので、有名なコーチビルダー「ケルネル」製の「パネル・ブルーアム」と書かれてあった。運転席はオープンで、リアコンパートメントのみ屋根のあるボディを「ブルーアム」(又は「クーペ・ド・ヴィユ」)と呼ぶ。もっともフォーマルな形式で、もっぱら夜の社交に使われるので「タウンカー」ともよばれる。制服を着用したショファーと、横にドアマンが同乗するのが正しい使い方だ。こうした用途に相応しいかというと、短いホイールベースでは重厚感に乏しく、角ばったキャビンが収まりきれないので寸詰まりという印象は避けられない。

(写真36-1abc )1936 Ford V8 Deluxe Three Window Coupe (Type68) (1982-06,2001-08, 河口湖博物館)
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エンジンが大きく前進してしまった車のデザインは、当時としてはそれまでの経験以外の感覚が必要だった事だろう。特に小さなキャビンと大きなトランクを持つクーペでは、従来よりずっと長い空間を処理しなければならないが見事にバランスが取れている。

(写真36-2abc)1936 Ford V8 Jensen Tourer (Type68) (1998-08 ペブルビーチ)
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この車もカタログにはない「ツアラー」で、ジェンセン社で造られたスペシャル・ボディだから、ペブルビーチ・コンクールに出展する資格は十分あるが、その他に映画「風と共に去りぬ」のレッド・バトラー役でも知られるハリウッドの大スター「クラーク・ゲーブル」の車だったという輝かしい経歴を持っている。

(写真36-3ab)1936 Ford V8 Standard Fordor(1998-02 ディズニーMGMスタジオ/フロリダ)
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この車はフロリダのディズニーMGMスタジオで園内を一周りする乗り物に乗った際、色々な場面設定がある中で見つけて慌てて撮ったもので条件が悪く仕上がりも良くないが、アメリカのパトカー仕様だ。

(写真37-1a~e)1937 Ford V8 Convertible Sedan (Type78) (1962, アメリカ大使館付近/1985-01,明治公園)
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最初の写真は1962年ナンバー付きの現役時代に街中で撮影したもの。2枚目以降は「日本自動車博物館」に引き取られてからのもので、現在も大切に展示されている。この車は戦前アメリカの大使館員が所有していたもので、太平洋戦争開戦で帰国した際残していったものだ。センターピラーが収納出来るのでトップを下げた時は完全にフルオープンが可能だ。「コンバーチブル・セダン」は最上級モデルで、一番安い2ドア・クーペが585ドルの時860ドルもした。

(写真37-2abc)1937 Ford V8 Cuningham Town Car(Type78) (1998-08 ペブルビーチ)
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この車も「カニンガム社」によって造られたスペシャル・ボディの「タウンカー」だ。奇をてらっていないオーソドックスなスタイルはよくできているが、欲を言えばもう一寸長いホイールベースが欲しい。

(写真37-3abc)1937 Ford V8 Station Wagon (2007-06 フェスティバル・オブ・スピード)
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フォードは1929年の「A型」でステーション・ワゴンを登場させたパイオニアだ。この種類はアメリカの歴史的産物で開拓時代の馬車の名残だ。直訳すれば、映画でも有名な「駅馬車」を連想するが、駅馬車は現代の大陸横断「グレイファウンド・バス」に相当する長距離担当で、「ステーション・ワゴン」はその名の様に一寸駅まで荷物を受け取りに行く道具だった。現代では印刷された木目のステッカー張りで味気ないが、戦前は全て本物の木で作られていた。

(写真37-4ab 1939(37) Ford Special Convertible (2008-01 ドイツ博物館)
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この車の案内には1939年と記入されていたがグリルは37年型で、フォードの年鑑でも37年版に登場する。ドイツのデザイナーによるスペシャルボディとあったがメーカーの記入はなかった。

(写真38-1abc)1938 Ford V8 Standard Five Window Coupe(Type82A) (2007-06 フェスティバル・オブ・スピード/イギリス)
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1938年型のフォードは「デラックス」と「スタンダード」のグリルがはっきり別物になった。写真の車は「スタンダード」で全体的には前年のグリルにすこし手を加えただけで、2本のクロームラインで4つに分割され、一番上はボンネットサイドまで延長されている。この差別は翌年以降も引き継がれていった。この車は右ハンドルなので、英国で組み立てられたものと思う。

(写真39-1abc)1939 Ford V8 Deluxe Tudor Sedan (Type91A)      (1961-11 立川市内)
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1939年といえば昭和14年で、日米間は戦争に向かって緊迫した状況にあったから車の輸入は行われなかった。だから戦後もこの年代の車は街中で見ることは殆どなかった。この辺の打開策として僕は立川へ何回か足を運んだ。米軍関係者の家族が生活している地域を目指したのだ。関係者がみんな金持ちという訳ではないから、本国で使っていた車をそのまま持ち込んできた中にはかなりくたびれたものもあった。写真はそんな車のⅠ台だが僕にとっては貴重な記録だ。

(写真40-0ab) 1940 Ford Deluxe Coupe/Standard Tudor Sedan (Model Car)
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僕の造った1940年型フォ-ドのプラモデルで、左が「デラックス」、右が「スタンダード」に仕上がっている。確か「モノグラム」社のキットだったと記憶しているがグリルが2種類入っていて、1939年型と40年型どちらでも好きな方が作れるという物だった。

(写真40-1abc)1940 Ford V8 Deluxe Convertible Coupe (Type01A) (1990-07 アメリガン・ドリームカー・フェア/幕張)
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1970年7月幕張メッセで、50年代の魅力的なアメリカ車を中心とした大イベントが開催された。出展された車はクラシックカーなどのイベントと違って、個人からの物ではなく、最近アメリカ西海岸から買い付けられたと思われをアメリカのナンバープレートの付いた車が多かったから、見本市のようなものだったのだろう。

(写真40-2ab)1940 Ford V8 Deluxe Five Window Coupe (Type01A) (1998-02 オーランド/フロリダ)
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40-2b (98-F11-22) 1940 DeLuxe 5Window Coupe.jpg
この車はフロリダ州オーランドで開かれたローカル・イベントて撮影したものだが、夕暮れが近づいているのも気が付かない程興奮していたので、オートマチックの設定ではかなりスローシャッターになって手ぶれしたものが出てしまった。

(写真40-3abc)1940 Ford V8 Deluxe Rollston Panel Brougham (Type01A) (1998-08 ペブルビーチ)
40-3a (98-38-22) 1940 Ford Model 01A Rollston Panel Brougham.jpg

40-3b (98-38-23) 1940 Ford Model 01A Rollston Panel Brougham.jpg

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1935年型でも登場した「パネル・ブルーアム」というタイプだ。これを造ったのは「ロールストン」という名門のボディ・メーカーで、「デューセンバーグ」や「パッカード」など高級車を手掛けているが、同じ造りのキャビンを載せてもいかんせん112インチの大衆車では本来の安定したバランスは望めない。

(写真40-4ab) 1940 Ford 1/2 ton Pick-up Truck (1998 -08 ラグナセカ/カリフォルニア)
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このグリルパターンは1939年型のデラックス用を1年落ちで流用したものだ。この車は乗用車のように見えるが分類上ではトラックの扱いとなる。

(写真41-1abc)1941 Ford V8 Super Deluxe Five Window Coupe (Type11A) (1960年 立川市内)
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立川市内で撮影したこの車も、国内で撮影した戦前の車として貴重な資料だ。この年のシリーズは8気筒が「スーパー・デラックス」「デラックス」となり、「スタンダード」シリーズには新たに6気筒エンジンが登場した。

(写真43-1a~e)1943 Ford GPW (Jeep)       (2007-04 トヨタ自動車博物館)
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通称「ジープ」と呼ばれるこの車は、第二次大戦の影の功労者だ。1940年6月アメリカ陸軍が全米メーカーに仕様を提示して開発の要請をした。これに応えてプロトタイプを提出したのが「アメリカン・バンタム」「ウイリス・オーバーランド」「フォード」の3.社だった。それらは実戦でテストされ、最終的にウイリスの「MB」とフォードの「GPW」に集約され量産体制に入った。「ジ-プ」というと「ウイリス」のイメージが強く、フォードがライセンス生産したように思うが、部品は100%互換性を持つが別の車である。最近よく見かける「ジープ」は近代化され、贅肉(ぜいにく)が付いている感じだが、写真の車は僕が子供のころ出逢った「進駐軍」の兵隊さんが左足を切欠きに載せ、ガムを噛みながら颯爽と走り去った何十年も昔の儘も姿だ。

― 次回は戦後から60年代までの予定です ―

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第107回 L項-8 「ロータス・1」(マーク1からタイプ14エリートと23エラン迄)

第106回 L項-7 「リンカーン・2」(米)

第105回 L項-6 「リンカーン・1」

第104回 L項-5 「ランチャ・2」

第103回 L項-4 「ランチャ・1」

第102回 L項-3 「ランボルギーニ」

第101回 L項-2 「ランチェスター」「ラサール」「リー・フランシス」「レオン・ボレー」「ラ・セード」「ロイト」「ロコモービル」「ローラ」「ロレーヌ・デートリッヒ」

第100回 L項-1  「ラゴンダ」

第99回 K項-1 「カイザー」「カイザー・ダーリン」「ケンワース」「キーフト」「ナイト」「コマツ」「コニリオ」「紅旗」「くろがね」

第98回 J項-5 「ジープ」「ジェンセン」「ジョウエット」「ジュリアン」

第97回 J項-4 「ジャガー・4」(大型サルーン、中型サルーン)

第96回 J項-3 「ジャガー・3」 (E-type、レーシング・モデル)

第95回 J項-2 「ジャガ-・2」(XK120、XK140、XK150、C-type、D-type、XKSS)

第94回 J項-1  「ジャガー・1」(スワロー・サイドカー、SS-1、SS-2、SS-90、SS-100)

第93回 I項-2 「イターラ」「イソ」「いすゞ」

第92回 I項-1 「インペリアル、イノチェンティ、インターメカニカ、インビクタ、イソッタ・フラスキーニ」

第91回 H項-8 「ホンダ・5(F1への挑戦)」

第90回 H項-7 「ホンダ・4(1300(空冷)、シビック(水冷)、NSX ほか)」

第89回  H項-6 「ホンダ・3(軽自動車N360、ライフ、バモス・ホンダ)」

第88回 H項-5 「ホンダ・2(T/Sシリーズ)」

第87回  H項-4 「ホンダ・1」

第86回 H項-3 「ホールデン」「ホープスター」「ホルヒ」「オチキス」「ハドソン」「ハンバー」

第85回 H項-2 日野自動車、イスパノ・スイザ

第84回 H項-1 「ハノマク」「ヒーレー」「ハインケル」「ヘンリーJ」「ヒルマン」

第83回 G項-2 「ゴールデン・アロー」「ゴリアト」「ゴルディーニ」「ゴードン・キーブル」「ゴッツイー」「グラハム」

第82回 G項-1 「GAZ」「ジャンニーニ」「ジルコ」「ジネッタ」「グラース」「GMC」「G.N.」

第81回 F項-25 Ferrari・12

第80回 F項-24 Ferrari・11 <340、342、375、290、246>

第79回  F項-23 Ferrari ・10<365/375/410/400SA/500SF>

第78回 F項-22 Ferrari・9 275/330シリーズ

第77回 F項-21 Ferrari・8<ミッドシップ・エンジン>

第76回 F項-20 Ferrari・7 <テスタ ロッサ>(500TR/335スポルト/250TR)

第75回 F項-19 Ferrari ・6<250GTカブリオレ/スパイダー/クーペ/ベルリネッタ>

第74回 F項-18 Ferrari・5<GTシリーズSWB,GTO>

第73回  F項-17 Ferrari・4

第72回 F項-16 Ferrari・3

第71回 F項-15 Ferrari・2

第70回 F項-14 Ferrari・1

第69回 F項-13 Fiat・6

第68回 F項-12 Fiat・5

第67回 F項-11 Fiat・4

第66回 F項-10 Fiat・3

第65回 F項-9 Fiat・2

第64回 F項-8 Fiat・1

第63回 F項-7 フォード・4(1946~63年)

第62回 F項-6 フォード・3

第61回 F項-5 フォード・2(A型・B型)

第60回 F項-4 フォード・1

第59回 F項-3(英国フォード)
モデルY、アングリア、エスコート、プリフェクト、
コルチナ、パイロット、コンサル、ゼファー、ゾディアック、
コンサル・クラシック、コルセア、コンサル・カプリ、

第58回  F項-2 フランクリン(米)、フレーザー(米)、フレーザー・ナッシュ(英)、フォード(仏)、フォード(独)

第57回 F項-1 ファセル(仏)、ファーガソン(英)、フライング・フェザー(日)、フジキャビン(日)、F/FⅡ(日)

第56回 E項-1 エドセル、エドワード、E.R.A、エルミニ、エセックス、エヴァ、エクスキャリバー

第55回  D項-8 デューセンバーグ・2

第54回 D項-7 デューセンバーグ・1

第53回  D項-6 デソート/ダッジ

第52回 D項-5 デ・トマゾ

第51回 D項-4 デイムラー(英)

第50回 D項-3 ダイムラー(ドイツ)

第49回  D項-2 DeDion-Bouton~Du Pont

第48回 D項-1 DAF~DeCoucy

第47回 C項-15 クライスラー/インペリアル(2)

第46回 C項-14 クライスラー/インペリアル

第45回 C項-13 「コルベット」

第44回 C項-12 「シボレー・2」(1950~) 

第43回 C項-11 「シボレー・1」(戦前~1940年代) 

第42回  C項-10 「コブラ」「コロンボ」「コメット」「コメート」「コンパウンド」「コンノート」「コンチネンタル」「クレイン・シンプレックス」「カニンガム」「カーチス]

第41回 C項-9 シトロエン(4) 2CVの後継車

第40回  C項-8シトロエン2CV

第39回  C項-7 シトロエン2 DS/ID SM 特殊車輛 トラック スポーツカー

第38回  C項-6 シトロエン 1 戦前/トラクションアバン (仏) 1919~

第37回 C項-5 「チシタリア」「クーパー」「コード」「クロスレー」

第36回 C項-4 カール・メッツ、ケーターハム他

第35回 C項-3 キャディラック(3)1958~69年 

第34回  C項-2 キャディラック(2)

第33回 C項-1 キャディラック(1)戦前

第32回  B項-13  ブガッティ(5)

第31回 B項-12 ブガッティ (4)

第30回  B項-11 ブガッティ(3) 

第29回 B項-10 ブガッティ(2) 速く走るために造られた車たち

第28回 B項-9 ブガッティ(1)

第27回 B項-8 ビュイック

第26回 B項-7  BMW(3) 戦後2  快進撃はじまる

第25回 B項-6 BMW(2) 戦後

第24回  B項-5   BMW(1) 戦前

第23回   B項-4(Bl~Bs)

第22回 B項-3 ベントレー(2)

第21回 B項-2 ベントレー(1)

第20回 B項-1 Baker Electric (米)

第19回  A項18 オースチン・ヒーレー(3)

第18回  A項・17 オースチン(2)

第17回 A項-16 オースチン(1)

第16回 戦後のアウトウニオン

第15回  アウディ・1

第14回 A項 <Ar-Av>

第13回  A項・12 アストンマーチン(3)

第12回 A項・11 アストンマーチン(2)

第11回  A項-10 アストン・マーチン(1)

第10回 A項・9 Al-As

第9回 アルファ・ロメオ モントリオール/ティーポ33

第8回 アルファ・ロメオとザガート

第7回 アルファ・ロメオ・4

第6回 アルファ・ロメオ・3

第5回 アルファ・ロメオ・2

第4回  A項・3 アルファ・ロメオ-1

第3回  A項・2(Ac-Al)

第2回  「A項・1 アバルト」(Ab-Ab)

第1回特別編 千葉市と千葉トヨペット主催:浅井貞彦写真展「60年代街角で見たクルマたち」開催によせて

執筆者プロフィール

1934年(昭和9年)静岡生まれ。1953年県立静岡高等学校卒業後、金融機関に勤務。中学2年生の時に写真に興味を持ち、自動車の写真を撮り始めて以来独学で研究を重ね、1952年ライカタイプの「キヤノンⅢ型」を手始めに、「コンタックスⅡa」、「アサヒペンタックスAP型」など機種は変わっても一眼レフを愛用し、自動車ひとすじに50年あまり撮影しつづけている。撮影技術だけでなく機材や暗室処理にも関心を持ち、1953年(昭和28年)1月には戦後初の国産カラーフィルム「さくら天然色フィルム」(リバーサル)による作品を残している。著書に約1万3000余コマのモノクロフィルムからまとめた『60年代 街角で見たクルマたち【ヨーロッパ編】』『同【アメリカ車編】』『同【日本車・珍車編】』『浅井貞彦写真集 ダットサン 歴代のモデルたちとその記録』(いずれも三樹書房)がある。

関連書籍
浅井貞彦写真集 ダットサン 歴代のモデルたちとその記録
60年代 街角で見たクルマたち【ヨーロッパ車編】
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