2025年11月26日
このたび弊社では、『日野自動車の100年 世界初の技術に挑戦しつづけるメーカー【増補二訂版】』を12月に刊行します。
日野自動車は1910年に設立された東京瓦斯工業株式会社をルーツとし、1917年には独自設計による国産量産トラック第1号のTGE A型トラックを製作しました。第二次世界大戦中は、陸海軍の数々の要望に応えた技術的実績を持ち、戦後は平和産業への転換を果たしました。創業から100年以上の間、その高い技術力をもとに水素、ハイブリッド車の開発など新技術に挑み、実用化に成功しています。
その日野自動車から1965年に誕生したのが2ドアのコンテッサ1300クーペで、2025年に誕生60周年を迎えました。“コンテッサ(伯爵夫人)”の名にふさわしい気品あるその姿は多くの方々の記憶に残り、国産旧車としても人気がある乗用車で、60年後の今日でも、100台近くが全国で走っています。
デザインはイタリアのジョバンニ・ミケロッティによるもので、そのスタイルはトリノ風を意味するトリネーゼ・スタイルと呼ばれました。海外市場でも通用する国際商品として開発されたコンテッサは、1964年10月の「パリ国際オートサロン」を皮切りに、国際的な数々の賞を受賞するなど、海外からも称賛を浴びることとなります。
「一つや二つ美しい車をつくるのではなく、大量生産され世界中を走り回る車のデザインをしたい。日野の車が世界を走ることを期待しているし、どこを走ってもほめてもらえるだけの自信を持っている」とジョバンニ・ミケロッティが語ったように、コンテッサはオーストラリア、ギリシャ、フランス、イタリアなどへも輸出されました。
しかし、1966年のトヨタ自動車工業との業務提携により、当時の日野自動車工業は乗用車部門からの撤退が決まり、乗用車の生産・開発は終了となりました。
新装版では、2025年にコンテッサ1300クーペが誕生60周年を迎えたことを機に、カバーをコンテッサ1300クーペの写真を掲載したデザインとし、特典として、コンテッサ1300クーペの当時の史料を収録したカードも入れました。
本書により、世界初のディーゼル・電気ハイブリッドバスなど、トラックやバスの開発はもちろん、乗用車を開発していた時代を含め、日野自動車の一世紀にわたる変遷を知っていただければ幸いです。
三樹書房 編集部

『日野自動車の100年 世界初の技術に挑戦しつづけるメーカー【増補二訂版】』(新装版)
編著:鈴木 孝(工学博士)
仕様:B5判上製/200頁(含カラー口絵24頁)
定価:本体4,500円+税
ISBN978-4-89522-847-3
目次
推薦の言葉 小口泰平
はじめに
写真で見る日野自動車の変遷① (黎明期~第二次大戦前後)
第1章 東京瓦斯電気工業(ガス電)時代
第2章 日野重工、日野産業そして日野ヂーゼル工業
写真で見る日野自動車の変遷② (乗用車、商用車、建設機械~トヨタとの提携)
第3章 日野自動車工業から日野自動車
写真で見る日野自動車の変遷③ (先進技術への取り組み)
第4章 未来と車文化への触手
第5章 環境社会、グローバル社会と商業車
会社の変遷
生産台数
ダカールラリーの戦績(トラック部門)
年表
2010年以降の車両紹介
参考文献
あとがき
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