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2025年8月26日

増補版『F1グランプリ ホンダF1と共に 1963-1968』編集経過ニュース<第2回>

先月に続いて、第一期ホンダF1の活動にご興味の方、関心のある方に、2025年10月末に刊行に向けて製作中の『F1グランプリ ホンダF1と共に 1963-1968』の編集状況をお伝えします。
今回の資料の増補に関して、大きな進展がありました。初版を刊行した1989年の製作時は、当時のホンダF1に関する写真は、ほとんど残されていませんでした。しかし、少し前に本田技研工業本社で当時プロのカメラマンによって撮影された多くの“1960年代のホンダF1に関する記録写真”が発見されたそうで、幸いにも現在製作している「増補版」にこれらの貴重な写真を収録させていただけることになりました。
今回ご紹介する1点の写真も今までうずもれていた、RA270(ホンダが自社で開発した実験用フォーミュラマシン)の珍しい写真です。
今回の「増補版」にはこのような1960年代に撮影された写真を数多く掲載することができるようになったため、資料性の高い一冊になると考えています。
さらにもうひとつ、原書はホンダF1の設計者であり、チーム監督なども務められた中村良夫氏自身が書き綴ったホンダF1の参戦から活動を休止するまでの転戦記ですから、レースごとの戦績やホンダのF1マシンなどに関しての詳しい記述はほとんどありませんでした。
しかし今回の「増補版」で、当時のホンダF1レーシング・チームのおひとりである佐野彰一氏が責任者として1998年にまとめられた『ホンダの技術50年DATA Dream』に記載されているF1マシンの解説文を転載することで、マシンの性能などはもとよりその特徴などに関しても知ることができるようになりました。
編集部では、ひきつづき内容の充実を進めておりますので、ぜひご期待ください。
次回はさらに詳しい情報をお届けします。

ホンダRA270が完成したときに撮られたと思われる写真で、時期は1963年(昭和38年)の末頃と思われます。記録によればこの実験用として製作されたホンダRA270は、翌年の1964年初頭から鈴鹿サーキットへ持ち込み、走行テストなどを繰り返していますから、その前に撮られたとすれば、場所は荒川のテストコースかもしれません。後ろに立つホンダのメンバーに関しては、今回の「増補版」に収録するために各人のお名前などを現在調査しています。

まとめ 編集部

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