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2025年5月1日

4月11日(金)~13日(日)に幕張メッセ(千葉県)で「オートモビルカウンシル 2025」が開催されました。その様子をお伝えします。(写真・レポート:編集部)

2016年の第1回から数えて、今年で10周年を迎える「オートモビルカウンシル」。今回は10周年にふさわしい特別ゲスト、世界的デザイナーのジョルジェット・ジュジャーロ氏を招いたトークショーなどが開催され、賑わいを見せました。主催者によると、3日間の来場者数は44,963人で、3対前年比114%であったと発表されました。

トークイベントに参加中のジョルジェット・ジュジャーロ氏

ここでは、日本の自動車メーカーの展示を中心に紹介します。

<トヨタ自動車>
出展テーマは「TOYOTA CLASSIC」。これは“ヘリテージカーの保存・継承をはじめ、末永く乗り続けていただくためのヘリテージパーツ供給やクルマ文化に触れる場づくり、仲間と集うコミュニティ支援などの活動”という意味で、これを表現した展示となっています。社内の技能育成のためにレストアされた、1973年発売のセリカリフトバックや、GRヘリテージパーツによって再生された、1986年発売の初代スープラ、1993年発売の2代目スープラのほか、主催者テーマに合わせた4500GT(1989年公開のコンセプトカー)が展示されました。

トヨタ自動車のブースの様子
トヨタセリカリフトバック(1973年発売)
トヨタスープラ(2代目、1993年発売)

<三菱自動車工業>
出展テーマは「時代を切り拓いてきた名車たち」。1964年発売の初代デボネアや、1970年発売のギャランGTO MR、1976年発売のギャランΛ、1990年発売の初代ディアマンテなど、ヘリテージカー4台が展示されました。
さらに、四輪制御技術と運転支援技術を採用したコンセプトカー、HSR-II(1989年東京モーターショーに参考出品)と、2024年10月に大幅改良したアウトランダーPHEVが展示され、三菱自動車工業が過去から現在まで一貫して目指してきた、四輪制御技術と運転支援技術が紹介されました。

三菱自動車工業のブースの様子
三菱デボネア(1964年発売)
HSR-II(1989年東京モーターショー参考出品車)

<マツダ>
出展テーマは「MAZDA DESIGN STORY “心を揺さぶる、モノづくりへの追求”」。当時の東洋工業が1962年にイタリアのベルトーネ社へデザイン監修を委託し、ジョルジョット・ジュジャーロが手掛けた、初代ルーチェのプロトタイプであるS8P、1990年代のデザインテーマ「ひびきのデザイン」を体現したユーノス500、のちのデザインテーマ「Nagare(ながれ)」に影響を与えた2005年の第39回東京モーターショー出展車「マツダ先駆」、現在の「魂動デザイン」を象徴する「マツダ VISION COUPE」と「マツダ 魁 CONCEPT(マツダ・カイ・コンセプト)」が展示され、マツダデザインストーリーが時代を追って表現されており、その変遷がよく理解できるものになっていました。

マツダブースの様子
初代ルーチェのプロトタイプS8P(1962年)
マツダ先駆(2005年東京モーターショー出展車)

<ホンダ>
2025年秋に発売予定と報道されているプレリュードの“復活”に合わせて、1978年発売の初代プレリュードから、1996年発売の5代目プレリュード、発売予定のモデルまでが一堂に展示されました。展示紹介版には、世界初となる四輪操舵システム「4WS」など、それぞれの世代で搭載された特筆するべき技術も紹介されていました。

2025年発売予定の新型ホンダプレリュード
ホンダプレリュード(初代、1978年発売)
ホンダプレリュード(3代目、1987年発売)

<日産自動車>
主催者特別展示として、4台のヘリテージモデルが展示されていました。「ニッサンとイタリアンデサインのクリエーション」 として、ジョバンニ・ミケロッティ、ピニンファリーナ、ジョルジェット・ジュジャーロ、イタルデザインが携わったモデルが並びました。

左から、プリンス・スカイライン・スポーツ(1960年)、ダットサン・ブルーバード1200デラックス(1964年)
左から、ニッサン・マーチ・コレット(1985年)、GT-R50 by Italdesign(2021年)

10周年となる今回は、過去最高の来場者数を記録しました。このことは、「自動車文化の成熟を願い始まった」という、このイベントの趣旨が広く理解され、定着をしてきたことの表れでもあると考えます。このイベントならではの欧米の貴重な名車の展示に加えて、日本にも100年を超える自動車やモータースポーツの歴史があります。このことが日本のみならず、広く世界に発信されるようなイベントとして、自動車愛好家の皆様にもご注目いただき、次回ぜひ来場されてはいかがでしょうか。

まとめ:編集部

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