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2023年10月17日

2023年9月17日(日)、静岡県の富士スピードウェイにおいて、5年ぶりとなるマツダファンフェスタ2023が開催された。当日は晴天にも恵まれて、早朝より様々な地域から多くのファンが続々と集まった。(まとめ:編集部)

オープニング セレモニーでは、2023年6月、新たに代表取締役社長兼CEOに就任された毛籠勝弘(もろ まさひろ)さんが挨拶。(マツダはこの7月に経営新体制となったが)「どのような時代になっても走る喜びで移動体験の感動を量産できるクルマ好きの会社でありたい。クルマが好きを原点に商品・サービスを提供していく」と意気込みを語るとともに、マツダファンフェスタを毎年継続できるように取り組んでいきたい、強調した。

オープニング セレモニー挨拶する毛籠勝弘社長

会場内では各イベント会場で魅力的なイベントが同時並行に行なわれていたため、すべてに参加することができなかったので、同行させていただいた、元マツダで、1991年ルマン優勝時のモータースポーツ主査を務めた小早川隆治さんと協議の結果、お昼の12時から15時20分までマツダの関係者による4つのトークイベントを2人で拝聴することにした。ロータリーエンジンに関する興味深い内容も含まれていたので、今回はこの11年ぶりに復活したロータリーエンジンに関する新たな情報などを含めて紹介したい。

「トヨタ・スバル・マツダ カーボンニュートラルへの共挑」
このトークショーは、トヨタ、スバル、マツダのスーパー耐久に参戦しているリーダーたちが登壇した。彼らによれば、「[日本3大レース]といわれるのは、スーパーフォーミュラ、スーパーGT、スーパー耐久だが、その中でもスーパー耐久はジェントルマンレースの部類に入り、とくに自動車メーカーの実証実験クラスであるST-Qクラスはエンジニアを育てる場として大切である。市販車に近いマシンによる技術での戦いは、お客様にとっても楽しめるレースであり、これからもライバルの3社がもっと白熱したレース展開をしたい。また、カーボンニュートラルの燃料は、製造する過程でCO2を吸収し、走行する時に出すのでCO2が大気中に増えることはなく、環境に優しい燃料である。このカーボンニュートラル燃料などに関しても積極的に取り組んでゆきたいと考えている。また、「共挑」という言葉は、共に競い、協調し、挑戦して未来を創ることである。ST-Qクラスに参加するスバル・トヨタ・マツダをはじめ、日産・ホンダを含めた5社は、共同でこれからも挑戦を続け、場合によってはオールジャパンとして世界で日本の自動車メーカーはカーボンニュートラルに向けた多様な選択肢に真剣に取り組んでいると言われるようになりたいと考えている。そしてマツダは30年ぶりにモータースポーツに復帰をしたので見に来て欲しい」などと話していた。

トヨタ、スバル、マツダのリーダーによるトークイベント

「ONE N` ONLY/REI×マツダスピリットレーシング代表前田育男トークイベント」
ここではタレントREI さんと前田育男さん2人によるトークイベントであった。タレントでありモデルでもあるREIさんは、クルマが大好きで、祖父も父もクルマ好きという環境に育ったそうである。マツダのクルマは運転が楽しく、マツダのクルマの中でも人馬一体感のあるロードスターNDなどが好みであるという。(NDのデザインを担当された)中山さんによるデザインのクルマは好きで、マツダが展開する「魂動(kodo)」デザインも好きで、チリの少なさや光の具合などを考えてつくっているマツダ車は「すごい」と賛辞を送っていた。またロータリーエンジン音が好きで、できればロータリーエンジンのスポーツカーを見たいという、モータースポーツ好きの青年である。
それらの言葉に前田さんは「REI君にマツダ車を認めてもらい嬉しい。クルマのデザインで大切なのは、ボディに当たる光の反射の仕方。光が入ったときにどう見えるのかが大切である。マツダのレッド系カラーは特別な色であり、デザインビジョンモデルのスーパースポーツカーのRXビジョンもイメージカラーはソウルレッド。そして前田さんも個人的にはスポーツカーをつくりたい」と話していた。
さらに「ロータリーエンジンはマツダの宝である。マツダの目指すべき技術であり、今回はPHEVの発電機として復活したが、将来ロータリーエンジン車をつくることができるかもしれない。四輪車用の量産ロータリーエンジンは世界でもマツダだけの技術であり、日本人として捨てるわけにはいかないし、そして将来に向け環境に配慮していかなければいけないが、ロータリーエンジンには、まだまだ可能性があると思っている」と熱く語り、会場からも大きな拍手が起こった。

寺田陽次郎氏+MZレーシング三浦正人氏による「寺田陽次郎 ルマン100周年記念トークイベント」
このトークイベントでは、寺田陽次郎さんから2023年6月10日にフランスで行なわれたルマン100周年記念イベントについて語られた。「ルマンは、今から100年前の日本が関東大震災に見舞われた年に始まっている。このレースの発端は、どこまで速く、そして長く走れるかを競うことであった。レースは6月第2土曜のPM4:00からスタートし、24時間もの間マシンで走り続けるもので、いかに速く走るのかを競うF1とは異なる、耐久レースなのである」。今年76歳を迎えた寺田さんは「自分のマツダのクルマで“運転道”を究めたい、尊敬するドライバーはポールフレール氏とジャッキーイクス氏」と語っていた。

寺田陽次郎氏(左)と三浦正人氏

「MX‐30主査&ロータリーエンジンの匠 トークイベント」
このトークイベントは、MX-30の主査・上藤和佳子氏と、長くロータリーエンジン開発に携わった方々よって展開し、新開発の8Cロータリーエンジンについて語られた。上藤主査によれば、「MX‐30は107KmのEV走行が可能。また、燃料タンクは50ℓで8Cという名称のロータリーエンジンによって発電する。このエンジンは、シングルローターでロングストロークになっているが、基本的なメカニズムは、従来の12Aや13Bと同様」だという。さらに「8Cロータリーエンジンは、シングルローターのアルミエンジンで軽量であり、このエンジンで発電し、充電するのでバッテリーEVとは異なり、充電時間を気にせず使えるメリットがある。また、家庭用電力としてバッテリーのみの場合約1.2日分、バッテリー+ロータリー発電をすれば約9.1日分が利用可能である」と語っている。

ロータリーエンジンの匠からは、「ロータリーエンジン開発の心構えとして、社長の山本健一氏(当時のロータリーエンジン研究部部長、後マツダ社長)は、1)飽くなき挑戦、2)遭難している余裕はない、『一発で決めろ』と言っていたがその通りだと思う。今回調べてみると、ロータリーエンジンの量産初日は6月22日であるが、ロータリーエンジンが生産中止されたのも偶然6.月22日であった。今回、e-SKYACTIV  R-EVを搭載したMX-30がデビューするまでの11年間には、13B水素→16X→330㏄ロータリーエンジン→8Cの4機種のエンジンを私たちは開発している。私たち技術者としては、今後もロータリーエンジンを搭載したクルマの開発に頑張っていきたい」と力説した。そのロータリーエンジン車への熱い想いが参加した多くのファンに伝わり、会場内からは感動と賛同の声がわき上がっていた。

上藤主査(左から2番目)と“ロータリーエンジンの匠”(左端)のトークショー

2012年にロータリーエンジンを搭載した最後のモデルであったRX-8の生産が中止され、その後11年もの長い間にロータリーエンジンに関しては、雑誌などでも様々な「説」が唱えられてきたが、どれも信憑性に乏しく、明確ではなかったと思う。しかし、今回のMAZDA FAN FESTA2023でのトークショーを聞く限り、今後、マツダがロータリーエンジン車にも取り組んでくれるのではないか? と十分に期待させてくれる内容であった。

MX-30とe-SKYACTIV  R-EV
マツダ787Bと毛籠勝弘社長(左)、寺田陽次郎氏(中)
欧州レースでも活躍したM10A
体験試乗用にたくさんのクルマが用意された
子どもも楽しめるコーナーもたくさん設けられていた
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