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2023年1月30日

2023年1月13日(金)~15日(日)、幕張メッセにて「東京オートサロン2023」が開催されました。今回はトヨタ、日産、ホンダブースの様子をお伝えします。(レポート:編集部)

<トヨタブース>
■クルマ好きだからこそ、カーボンニュートラル

トヨタ自動車(トヨタ・ガズー・レーシング)は「トヨタはクルマ好きを誰ひとり置いていかない」をテーマにAE86レビン、トレノのレストア・コンバージョン(動力源の換装)モデルを披露した。このテーマについて“モリゾウ”こと豊田章男社長は、「カーボンニュートラルは新車をEVにするだけでは達成できない。また保有車、つまり、すでに誰かの愛車になっているクルマにも選択肢を残していくことが大切」と述べる。地球規模での社会的要請に応えながら、クルマ好きだからこそやれるカーボンニュートラルが愛車のコンバージョンだというわけである。展示されたトレノは4AG型エンジンをおろし、水素エンジに乗せ換えたもの。一方のレビンはバッテリーEVに改造された。どちらも動力源こそ換装されたものの、マニュアルトランスミッションは残されているので、クラッチ操作やシフト操作が楽しめるという。また、中古シートをリフレッシュしたリユースシート、リサイクル素材を使用したシートベルトやシートベルトパッドを採用するなど、内装もカーボンニュートラルを意識した改造・レストアとなっている。

コンバージョンAE86の狙いを語る豊田章男社長

電気自動車となったレビン(LEVIN、左)を見ると、車名の「EV」の文字が強調されているのがわかる

豊田章男社長に続いて登壇したGRカンパニーの佐藤恒治プレジデントは、WRCの知見を活かしたGRヤリスの特別モデルを披露。昨2022年のラリージャパンでタイトルを獲得した2人の名前を冠するとともに、それぞれの好みやこだわりを随所に盛り込んだという。このほかレクサスRZ SPORT CONCEPT(佐々木 雅弘選手プロデュースモデル)や新型クラウンのアウトドアモデルなどをオートサロンに出展したことを紹介。またGRヘリテージパーツのライナップ充実を図るとともに、今後の復刻部品の展開については、お客様の希望を聞きながら検討していく方針を明らかにした。

ラリージャパンでタイトルを獲得した2人の名前を冠したGRヤリスのコンセプトモデル

豊田章男社長(右)と佐藤恒治プレジデント(左)

<日産ブース>
■走りと感性性能を高めた2024年モデルのGTRを披露

日産自動車のブリーフィングでは、GT-Rの2024年モデルが披露された。アシュワニ・グプタCOOが登壇し、「GT-Rは1969年から50年余りの間、日本の自動車技術を引き上げ、進化を続けてきた」とし、2024年モデルは最先端の技術と匠の技を掛け合わせた集大成であり、圧倒的な速さを誇る、胸を張った。
続いて舞台に現れたチーフビークルエンジニアの川口隆志氏はGT-Rについて「2007年から15年にわたって、グランツーリスモとして、またレーシングテクノロジーとして進化し続けてきた」とし、2024 年モデルは「人の感性に気持ちよく、それでいて早いこと、トータルバランスをもっと高い次元に引き上げることを狙いに開発をすすめた」という。スタンダードモデルはハンドリング性能の向上とともに、外装の見直しによりダウンフォースが高められた。NISMOモデルはコーナリング性能が高められたという。

GT-Rの2024年モデル。スタンダードモデル(上)とニスモモデル(下)

日産ブースには昨年同様、メーンカラーのオレンジ色をまとった初代フェアレディZと最新モデルのZが並んで展示されていた。またe-シェアモビ向けのコンセプトモデルのSAKURAやオーテックバージョンのセレナなどが参考出品された。

オレンジ色の初代フェアレディZと最新モデルのZが今年も展示された

異彩を放っていたのはルークス・スイート・コンセプト。ガルウイングドアが大きく上に開き、リアにはピアノが載せられている。近年、自然の中で親しい仲間だけで営む結婚式が小さなブームになっており、このクルマはそうしたシーンを想定して作られたという。ベースは軽自動車ながら、飛行機のビジネスクラスのような本革シートによる高級で居心地の良い空間に仕上げた。電動シェードはカーテンの代わり、リーフの再生バッテリーを搭載し、シャンパンを冷やしながら目的地まで行ける。ローランドの音響技術を盛り込み、上質な音色を自然の中に響かせることができる。子供が巣立ち、クルマは軽自動車で充分だが、ぜいたくはしたい。そういう期待に応えるクルマに仕上げたという。

ルークスのコンセプトモデル。ウイングドアが上に大きく開き、ファーストクラスの高級な内装が見える。リアにはピアノを積むことができる

<ホンダブース>
■シビック・タイプR-GT コンセプトを発表

ホンダはNSX-GTで8年間レースに参戦し、2018年、2019年とシリーズチャンピオンに輝いた。その後継モデルとして2024年からシビック・タイプRを2024年から投入し、参戦する。そのコンセプトモデルを東京オートサロンで発表した。シビック・タイプRコンセプトはシビック・タイプRをベースにHRC(株式会社ホンダ・レーシング)が開発を進めている。2024年から参戦するのはNSX-GTと同じGT500クラスで、今年はNSX-GTは最終年となるという。

発表されたシビック・タイプR-GT コンセプト

今年が最終年となるNSX-GT

電動バイクのCRエレクトリックを出展された

まとめ:三樹書房 編集部

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