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2022年10月24日

2022年10月9日(日)に33回目となるトヨタ博物館主催のクラシックカーフェスティバルが名古屋の「愛・地球博記念公園」で催された。今年は、ラリージャパン開催と富士モータースポーツミュージアムの開館記念として特別展示は「伝説のモータースポーツ車両」であった。編集部として取材できたので当日の模様を紹介したい。

オープニングセレモニーは、午前11時過ぎからスタートした。左の女性の隣はトヨタ博物館/富士モータースポーツミュージアム両館長を務める布垣直昭氏。

その後、トヨタ7ターボ[1970年]のエンジンパフォーマンスが行なわれ、会場内に響き渡るレーシングカーのエンジン音は、参加しているモータースポーツファンの注目を集めていた。当時800馬力と公表されていたトヨタ7ターボだったそうだが、実際にはエンジンはターボ過給によって1.6倍近く高出力化されており、1300馬力程度だったことが当時のトヨタ7のレーシングドライバー細谷四方洋氏によって語られた。

会場入り口付近には、名車のシートに座って記念撮影できるコーナーもあり、子供たちや若いカップルなどがスタッフに楽しそうに写真を撮ってもらっていた。

ランチア アストゥーラ ティーポ 233C [イタリア/1936]

フォード モデルT ツーリング[アメリカ/1914年]

会場内には、100台近い多くの様々なクラシックカーが展示されていたが、そのいくつかを紹介したい。

ダイハツ・ビー[1951年]
昭和26年につくられた珍しいダイハツ製の3輪乗用車。エンジンは、水平対向エンジンのため2個のキャブレターは左右後方に取り付けられていることが良くわかる。

ダットサン・フェアレデー[1960年]
輸出モデルとして開発されたこのクルマの生産台数は極めて少ないらしく、日本に残っていることが貴重である。取り外されて横に置かれていたルーフ類は、初めて見た部品であった。

プリンス・スカイライン2000GT-B[1966年]
スカイライン1500をベースとしてグロリアに搭載していた2000cc級のG7型エンジンに換装し、その高性能化は“羊の皮を被った狼”とも称された。

トヨペット・クラウン[1966年]
2代目となるこのクラウンは、1965年に追加された直列6気筒2000ccエンジンを搭載したモデル。このデザインは、V型8気筒2600ccエンジンを搭載した大型高級車クラウン・エイトにも受け継がれている。

バモス・ホンダ[1971年]
スペイン語で“レッツ・ゴー”を意味する車名を持つこのクルマは、TN360(トラック)の部品を流用して開発されたユニークな商用の軽自動車であった。

ユーノス・ロードスター[1992年]
当時マツダによって展開されていたユーノス・ブランドのこのオープンカーは1989年に登場。このクルマは、ボディカラーと室内色から当時人気の高かった“Vスペシャル”と思われる。

三菱・ランサーエボリューション[1992年]
近年、復活が期待されている三菱自動車が誇る名車ランサーエボリューション。このハイパワーマシンの横置きエンジンのレイアウトが新鮮に思えた。

ホンダ・NSX[1991年]
量産スポーツカーでは、世界初となるオールアルミボディによるNSX。ミッドシップのレイアウトやVTECのメカニズムを採用したV6エンジンなど、ホンダらしい凝ったメカニズムを搭載した名車の一台。

トヨタ・MR2[1987年]
軽量でミッドシップ、リトラクタブルライトによるすっきりとしたボディラインなどが魅力的だったMR2。

いすゞ・ピアッツァネロ[1985年]
ピアッツァは、鬼才ジョルジェット・ジウジアーロがいすゞから117クーペやフローリアンに続き、デザインを請け負ったモデル。個性的な外観に加えて室内のデザインが近未来を感じさせた。フラップするヘッドライトのリンク構造が興味深かった。

ダットサン・サニー[1969年]
今では無くなってしまった車名のサニー。サニーは、トヨタ・カローラの強力なライバルであった。特にこの初代(B10型)は日産車らしい端正な小型車のデザインが採用されていた。

フォルクスワーゲン・トランスポーター(タイプⅡ)[ドイツ/1967年]
このフォルクスワーゲンタイプⅡには、様々なモデルや仕様が準備されていたようだが、フロントガラスが開閉することができるモデルを見たのは初めてだった。運転席に鎮座している赤い小型のオートバイは、CKデザイン製の「仔猿」。

モータースポーツゾーンでは以下の懐かしいマシンも展示されていた。

トヨタ・セリカ TA64型[1985年]

トヨタ・ジープBJ型(初代ランドクルーザー)[1951年発売]
当時の警察予備隊向けにオフロード車のプロトタイプの製作を求められたトヨタが開発したのがこのクルマで、現在まで続くランドクルーザーシリーズの原点ともいえるモデルである。入札の結果、三菱ジープの採用となったが、その後国家地方警察のパトロールカーとして採用されている。現存数はきわめて少ないと想像される、貴重なモデルである。新明工業の手によってレストアが実施され、その様子はYouTube「LAND CRUISER CHANNEL / ランクルちゃんねる【トヨタ公式】」で見ることができる。

トヨタ・カムリ[1991年]
このクルマは、カムリの輸出モデルのワゴンタイプであるが、個人的には今回のイベントで初めて見たモデル。全く知らなかった車種であり、日本では存在したことを知っている方は少ないのでは? と思うので最後に紹介したい。V型6気筒エンジンを搭載した端正でスタイリッシュなデザインの左ハンドルのワゴンであり、現オーナーは中古で購入したという。この使い勝手の良さそうなこのクルマが日本でも導入されれば、良い展開ができたように思い、オーナーに伝えたところ「スバル・レガシイの販売が好調だったので見送られた」のではないか?……と教えてくれた。

(編集部まとめ)

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