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2022年2月25日

第41回JAIA輸入車試乗会が開催されました。3台の輸入車を試乗しましたので、その様子をお伝えします。(レポート:小林謙一)

■ボルボ XC60 Recharge Plug-in hybrid T8 AWD Inscription

端正なデザイン、品の良い内装。ボルボ XC60 Recharge Plug-in hybrid T8 AWDの保守的な箱型をイメージするデザインは、従来のボルボファンに考慮してデザインされたと聞いた。ワゴンとしての機能性も充分に高く、買い物から家族旅行に至るまでこの一台で全てこなせるワゴンで、その意味でスウェーデンという国ならではの文化を感じさせる一台といえる。寸法は日本では、車幅なども含めて、ぎりぎりの大きさといえる。

エクステリアデザインは、従来の質実剛健なボルボらしさを踏襲、北欧の神が敵を倒す際にハンマーを使ったとされる伝説から採用されたといわれている、トールハンマー型ライトも定着してきた。

力強い加速力を示したボルボ XC60 Recharge Plug-in hybrid T8 AWD Inscription。タイヤ:ミシュラン255/45R20 PREMACYは路面に対して比較的柔らかい印象で、室内に入ってくるロードノイズも低かった。ボディ剛性は非常に高く、ドアは重くがっちりとした作り。

借りた時点での可能走行距離は、バッテリー44kmでガソリン440kmの表示していた。しなやかな乗り心地で、シートも大きく、ショルダー部分もサポート。日本車にもこのような良質なシートを求めたい。ステアリング操作は正確で、切った分だけ曲がる印象。直進性も良好でパワーステアリングの操作感も自然で好ましい。ブレーキも回生時の嫌な印象は、試乗の際にはほとんど感じなかった。インテリアで一番目立つのは、大きなタブレットがセンターに装着されたようなデザイン。画面は大きいが、操作に慣れるのには時間がかかるだろうと思う。

サンルーフは、室内は明るく開放感もあって、個人的には大好きな装備である。ボルボC70のサンルーフは北欧の気候も関係するのか、開放部分が大きくて実用的。前席だけでなく、後席の乗員にも同じようにサンルーフの良さが感じられるだろう。

ワゴンとしての機能性が高いのはボルボの美点。フラットなトランクルームで、ほぼ左右一杯に荷物が積める。トランクルーム内側は、荷物がキズなどで傷まないような素材でフルカバーされているので安心。学生時代に4人でスキーセットなどを全て積んで雪山に行く時は、このワゴンタイプのボルボが一番人気だった。

■シトロエン DS 3 CROSSBACK E-TENSE

ユニークなシトロエンならではのデザインであり、フランスのメーカーならではの他社にはとてもできない、独創のデザインを充分に楽しめる個性的な魅力ある1台といえる。
このシトロエンDS 3 CROSSBACK E-TENSEは、デザインに関心が高く、生活スタイルやファッションにも強いこだわりを持った、個性的な人には絶好のモデルといえる。

このシトロエンは、従来から独創のメーカーだが、その中でもDSは強烈な個性を放っている。グリルデザインなども形状も含めてクルマというよりも、デザイン作品のような印象。他のいかなる車種とも似ていない。

特に個性的なリアデザイン。リアドアやドアノブ、サイドにある「逆へ」のキャラクターラインなど全てが個性的。リアのテールランプは、最近増えてきた流れるLEDウインカーを採用しているが嫌みがない。リアトランクはハッチバックで扱いやすく、容量は普段使いには充分だろう。

フランスならではのセンス、ファッション性を取り込んだ素材やインテリアデザイン。スイッチやドアノブなどのデザインや操作も独自で個人的には好み。ステアリング操作は軽く、ブレーキもナチュラルで好ましいフィーリングであった。フロントシートは、バケット形状であり、適度なサポートで乗員に優しいが、リアシートは座面が小さくて硬く、足元も狭くて後席の快適性は低い。

ホイールも未来的で左右デザインに力を入れているDSならではの美点。左右同じデザインのようだが、全く違和感がない。タイヤ:ミシュラン215/55 18インチPREMACYで乗り心地は、フランス車の流儀通りでドライバーに優しい乗り心地だった。

フロントランプ周り、ライトレンズ内に“DS LED VISION”のロゴが入っているのもDSならではの演出。

■フィアット500C ツインエア・ドルチェヴィータ

今回試乗したフィアット500Cツインエア・ドルチェヴィータは、派生車種のアバルトモデルよりもスポーティではないが、より市街地でも乗りやすく洗練された印象のベビーイタリアン。ステアリングは軽く、ブレーキは立ち上がりが強くて効きが良く、慣れるのに少し時間がかかる。乗り心地は硬いけれども、不快になることはなかった。ミッションは、導入時のモデルよりも進化しており、オートマチック機構もスムーズになっていて、乗りやすくなった印象。ツインエアのエンジンは、900ccクラスの小排気量である。やはり小さな排気量のエンジンは、高回転まで使いこなせて運転が楽しい。前方の視界は良くて、運転はしやすいし、乗り心地もスポーティで今回の試乗車の中で、一番欲しくなった。

1960年代のイタリアの国民車だった「FIAT500」のデザインをモチーフにした新型のフィアット500Cツインエア・ドルチェヴィータ。この新世代のフィアット500は、日本では2008年から発売されているが日本でも長く人気のあるモデル。デザインは現代風にアレンジされており、ボディサイズは、オリジナルの「FIAT500」よりかなり大きいけれども、全幅は、1625mm、全長は3570mmとコンパクトで日本でもちょうど良いサイズ。

電動のサンルーフは、作りも良くしっかりしていて開閉も楽しい。最近はこのようなある魅力的な装備が少なくなって残念。タイヤは、ブリヂストン・トランザ・185/55/R15インチが装着されていたがロードノイズは気にならなかった。

インテリアは。失礼ながら決してお金がかかっているように思えないが、デザインや配色が良くイタリアンデザインは楽しい。オートマチックはスムーズでマニュアルシフトのモードによる運転がおおいに楽しめた。

フロントシートは適度なホールド性で、座面もしっかりして好ましいシート。スイッチなどの操作系はなじみやすく、使いやすい。駐車ブレーキも電子制御ではなくサイド型。

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