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2015年2月4日

1月9日から11日まで開催された東京オートサロン2015で、マツダの新型「ロードスター」を取材してきました。そのレポートをお届けします!

東京オートサロン2015について  マツダ・新型「ロードスター」

カスタマイズカーの祭典である「東京オートサロン2015」が1月9日(金)から1月11日(日)、千葉県の幕張メッセで開催された。総来場者数は去年を上回り30万人超を動員する盛況ぶりだった。これは過去最高の来場者数であり、自動車への興味・関心が高まってきたことがわかる。
 会場内には外国人も数多く見受けられた。また、海外のアジア系メディアが取材を行っている場面もあり、日本の自動車産業の中でもカスタムという分野が国外でも注目されていることが感じられる一面であった。
 注目を集めていたブースはいくつかあるが、そのひとつのマツダを紹介したい。一際脚光を浴びていたのは新型「ロードスター」。

 ブース内においてトークショーも開催され、デザイン本部チーフデザイナーの中山 雅氏をはじめ、商品本部主査の山本 修弘氏ら四名が、この新型「ロードスター」について熱い想いを語った。
 鼓動(KODO)デザインをとり入れた流れるようなボディのラインは、歴代のロードスターとは一線を画すデザインとなっていて、トレードマークである小判型のテールランプも新型からは異なる形状に変化した。
 「閉めた時の形にこだわった」という幌はさらなる軽量化が施され、乗車した状態から片手での開閉が可能だという。そして幌を閉めた時には、流麗なクーペのボディラインを演出するデザインを意識したという。

 エンジンの搭載位置はフロントミッドシップのレイアウトを採用。開発陣によれば、極力センターに寄せた位置にエンジンを載せたという。そのためボンネットは低くノーズは抑えられ、併せて車高も低くなっていて、ドライバーは車体に深く座り込むようなポジションで運転する印象である。ただし、アクティブボンネットの採用などにより、衝突時の安全性も現代のレベルで確保されている。
 ドライバーの着座位置にもこだわりがある。乗車するとちょうどつま先の辺りにフロントホイールが来るようなポジションにより、車体の挙動をダイレクトに感じながら走行を楽しめるレイアウトがとり入れられている。これにより、操る楽しさを体感出来るという。
 質感のあるステアリングやシート、そしてインストゥルメントパネル。幌を開けた時には外からもよく見えるオープンカーのインテリアには、エクステリア並みのデザインが要求される。オープンカーならではのこだわりも感じられた。

 エンジンは環境にも配慮したガソリンエンジン「SKYACTIV-G」(スカイアクティブ)を搭載し、自然吸気の直列4気筒。排気量は明言されなかったものの1500cc量産エンジンをベースとしたと予想されている。
 馬力についてもはっきりとした発表はなかった。主査の山本氏によれば、「数値を発表することで走りのイメージに先入観を持たれたくないから……」とのことだ。つまり「走る、操る楽しみは数値では表せられない」と、山本氏は笑顔で語った。
 「ロードスター」は元々ハイパワーなエンジンを搭載した車ではなかったが、ここまでファンが増えたのはその車体の軽さとレスポンスの良いエンジン、足廻りの完成度の高さからだろう。今回発表された新型も、「ライトウェイトスポーツ」を目指して車重は1tを少し上回る程度に収められているという。
 この車重は初代の「ユーノス・ロードスター」(NA型)の数値には及ばないが、新型「ロードスター」はエアバッグやパワーウィンドウ、パワーステアリングなどの他数々の安全装備を搭載してその数値を出していることを語ってくれた。
 エンジン自体の軽量化もさることながら、ボディも更に研ぎ澄まされた。部分的にアルミを使用することで現行のNC型に比べ約100kgの軽量化を実現しているという。「スカイアクティブエンジン」とこの軽量ボディの組み合わせにより、経済性も向上するだろう。

 足廻りについては、ホイールがNC型の5穴から新型では4穴に変更されたことなどが挙げられるが、フロントにダブルウィッシュボーンを採用するなど、「走る楽しみ」を演出する姿勢は変わらない。
 初代の「ユーノス・ロードスター」の誕生から今年で26年である。長い年月をかけて生産され続けたモデルであるだけに、ファンの期待や要望は多く、新型に対しても「ロードスターらしさ」がスポイルされるようなことがあってはならないだろう。

 ユーザーが新型「ロードスター」に求めるキーワードが「人馬一体」や「ライトウェイトスポーツ」であるとして、そこに現代は、「低燃費・環境配慮」や「安全性能」等、社会への対応が求められている。
 既に海外のモーターショーでは発表されていたが、国内の自動車ショーでこの新型「ロードスター」が発表されるのは初めてだった。
 2015年の6月頃に発売される予定で、先行予約も行うと発表された。この新型「ロードスター」発売前にはロードスターファンの交流イベントとして、2015年の2月から3月にかけて開催予定の「ROADSTER THANKS DAY in JAPAN 2nd」と称したイベントでは開発陣のトークセッションが行われる予定である。今や国産ライトウェイトスポーツカーの代名詞的存在ともいえる「ロードスター」のこれからの展開に期待したい。 

三樹書房編集部

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