2026年1月29日
このたび弊社では、2017年に初版を刊行した、
『日本の自動車レース史 多摩川スピードウェイを中心として 大正4年(1915年)―昭和25年(1950年)』を、多摩川スピードウェイ開設90周年の節目にあわせて装丁を新たにし、2026年2月下旬に刊行いたします。
1922年(大正11年)11月12日、東京・洲崎埋立地において、日本で最初の自動車レースである「第1回自動車大競走」が開催されました。その発端となったのは、同年、レースカー・ハドソン号とともに帰国した米国日系移民の藤本軍次でした。これを契機に次々とレースが行なわれるようになり、後にホンダ創業者となる本田宗一郎やオオタブランドの自動車会社をつくった太田祐雄など、後に日本の自動車界に多大な功績を残す先駆者たちの闘いの場となっていきます。そして1936年には、アジア地域で最初の常設サーキットである多摩川スピードウェイが開設されました。
本書は、トヨタ博物館元館長である杉浦孝彦氏が、日本における自動車レース草創期について、当時の写真や新聞記事などの史料を丹念に収集・調査し、洲崎でのレースを起点として時系列にまとめたものです。
日本の黎明期の自動車レースや当時の自動車史について、史実として正確に残された史料は極めて限られており、その調査は多くの困難を伴いました。しかし近年、自動車史研究の進展により、当時の書物や記事に関する新たな知見や解釈が提示されるようになってきています。本書の執筆後にも、史料上は洲崎の第1回レースの写真とされていたものが、第2回のものであった可能性があることが明らかになるなど、この分野の研究は今後もさらに深化していくことが期待され、本書がそのきっかけのひとつとなっていればこれ以上の喜びはありません。
多摩川スピードウェイの跡地は、現在、神奈川県川崎市中原区の河川敷にあり、スタンド跡には記念プレートが設置されています。本書を通じて、戦前からの日本の自動車レースの歴史、そしてアジア初の常設サーキットが日本に存在していた事実を知っていただき、さらにはその跡地に足を運んでいただければ幸いです。
三樹書房 編集部

『日本の自動車レース史 多摩川スピードウェイを中心として
大正4年(1915年)―昭和25年(1950年)』(多摩川スピードウェイ開設90周年記念装丁版)
著者:杉浦孝彦(トヨタ博物館元館長)
仕様:B5判上製/160頁
定価:本体4,500円+税
ISBN978-4-89522-850-3
目 次
本書刊行に寄せて 鈴木一義
1 日本での自動車競走のはじまり 黎明期
2 日本自動車競走大会(その1)萌芽期
■東京―下関間、急行列車と競走 藤本軍次氏談
■インディアナポリスの自動車レース
3 日本自動車競走大会(その2)本格始動
■内山駒之助(1882~1937年)
■オートモ号
■陸軍の自動車競走の応援演説
[1934年 全日本自動車競走選手権(月島埋立地)]
■アート商会とカーチス号
4 多摩川スピードウェイ
第1回 全日本自動車競走大会―1936年6月7日
■戦前のオオタとダットサン
第2回 秋季自動車競走大会―1936年10月25日
■雪辱を期した日産
■川眞田和汪について
第3回 全日本自動車競走大会―1937年5月16日
■1938年7月18日のレース
第4回 全日本自動車競走大会―1938年4月17日
終戦直後の多摩川スピードウェイ
日本におけるオートバイレースの歩み
5 戦後のレース
6 発掘された写真
■レースの楽しさ厳しさ 本田宗一郎談 1962年(昭和37年)
7 多摩川スピードウェイの想い出(寄稿)
祖父 藤本軍次のこと/藤本隆宏
多摩川スピードウェイと太田祐雄/太田邦博
父 片山豊と多摩川スピードウェイの記憶/片山光夫
父 小早川元治の心を虜にしたMGK3マグネット/小早川隆治
祖父 川越豊と全日本自動車競走大会/福田 匠
浜家に来たグランプリ・ブガッティ/浜 素紀
ホンダカーチス号と日本クラシックカークラブ初代会長、浜徳太郎との由来/浜 素紀
日産モータースポーツも「多摩川」発祥/中山竜二
多摩川スピードウェイへの個人的な想い/小林大樹
8 今に生き残ったレーサーたち
9 年表 日本の自動車レース史・戦前編
10 レース・リザルト(戦績表)
11 多摩川スピードウェイの跡地
12 日本自動車競走倶楽部会則・競技規則他
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