2025年12月24日
このたび弊社では、2018年に初版刊行した『トヨタ モータースポーツ前史 トヨペット・レーサー、豪州一周ラリーを中心として 昭和26年(1951年)‒ 昭和36年(1961年)』をトヨペット・レーサー誕生から75年を迎えたことを記念した装丁に変更して2026年1月下旬に刊行します。
1950年(昭和25年)、国会で「小型自動車競走法」という法律が成立します。これは国産車(2輪・4輪)の性能向上により、やがては海外に輸出できる小型車がつくれるようになるための開発振興と同時に、公営ギャンブルとしてレースを行なうことで、地方財政の改善の目的がありました。
トヨタ自動車工業の創業者、豊田喜一郎氏は、日本の国情に合った小型で高出力、燃費の良いエンジンを搭載した小型車をつくることが、日本の自動車が生き残るには不可欠と考えていたといいます。そこで技術を磨く場として選ばれたのが、オートレースへの出場でした。そして1950年12月、トヨタ自動車販売は、2台のレーシングカーをつくることを決定しています。翌1951年5月、2台のレーシングカー、トヨペット・レーサーが完成しました。この2台のトヨペット・レーサーは、豊田喜一郎氏自身が構想に関わり、後に続くトヨタのモータースポーツ活動の原点といえるでしょう。
2026年は、トヨペット・レーサーが誕生してから75年を迎えます。弊社では、2018年に刊行した同書を、これを記念した装丁に一新して刊行することを決定しました。
本書の著者、松本秀夫氏は、トヨタのモータースポーツ部、トヨタ博物館に在籍し、長きにわたり歴史編纂に携わった集大成として、本書を執筆されました。執筆にあたっては当時の貴重な資料の発掘や、写真の収集など、膨大な作業をへてまとめられています。
本書では、トヨペット・レーサーに関することのほか、トヨタが初めて国際格式のラリーに参戦した豪州一周ラリーのことなど、戦後のトヨタにおける、モータースポーツ活動の黎明期の様子が克明に紹介されています。本書によって、今日のトヨタの精力的なモータースポーツ活動の、原点ともいえるその足跡を知っていただければ幸いです。
三樹書房編集部

『トヨタ モータースポーツ前史
トヨペット・レーサー、豪州一周ラリーを中心として
昭和26年(1951年)‒ 昭和36年(1961年)』(トヨペット・レーサー75周年記念装丁版)
著著:松本秀夫(元トヨタ博物館 モータースポーツ部)
仕様:B5判上製/160頁
定価:本体4,000円+税
ISBN978-4-89522-848-0
目 次
序文にかえて 加藤伸一(トヨタ自動車株式会社 顧問)
はじめに
豊田喜一郎 論文「オートレースと国産自動車工業」の要旨
序 章 トヨタモータースポーツの「前史」と「源流」
1 日本のモータースポーツの幕開け
2 日本GP以前のトヨタのモータースポーツ活動
第1章 トヨペット・レーサー
1 トヨペット・レーサーの時代背景
2 日本の自動車レースの始まり
3 トヨペット・レーサーの企画・製作
4 トヨペット・レーサーの改良と活動
5 四輪車オートレースの終焉
6 隈部一雄のクマベ研究所での活動
第2章 豪州一周ラリー・日本一周読売ラリー
1 トヨペット・クラウンが誕生した頃
2 第5回豪州一周ラリー
3 日本一周読売ラリー
4 第6回豪州一周ラリー
第3章 中日ラリー
1 有名城めぐり自動車ラリー(1959年9月)
2 第1回中日ラリー(1960年6月)
3 第2回中日ラリー(1961年6月)
4 大学の自動車部の活躍
第4章 歴史保存を考える
1 歴史保存の意義
2 歴史資料をいかに残し、継承して行くか
第5章 後世に伝えたいこと
1 トップ語録
2 「豪州一周ラリー」で出会った人々
3 モータースポーツに携わる人たちの想いを言葉に
トヨタ・モータースポーツ前史年表
生き残ったトヨペット・レーサー
おわりに
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