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2022年6月24日

2022年6月4日(土)、モビリティリゾートもてぎ内にあるHondaコレクションホールにて、「NXR750 HRC開発者の集い」が開催されました。その様子をお伝えします。(レポート:山田国光)

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2022年6月4日(土)、モビリティリゾートもてぎ内にあるHondaコレクションホールにて、「NXR750 HRC開発者の集い」が開催されました。この集いは2021年11月に増補二訂版として復刻刊行された『HRCのNXR開発奮戦記』(グランプリ出版)がきっかけとなって、当時の関係者の方々の交流が再開したことや、2022年はパリ ダカールラリーで Honda が初優勝してから 40 周年を迎えることなどが契機となって実現したものです。集いでは、開発関係者の方々から当時の開発の経緯や4連覇に至る苦労談などが披露され、一般の来場者や報道陣が耳を傾けました。

NXR750の開発関係者13名による、1989年の優勝車を前にしての記念撮影。

集いは、本田技研工業広報部で二輪広報を長く務め、当時のPRも担当されていた高山正之氏(写真右)の司会進行でスタートしました。写真左でパソコンを操作しているのは、当日の集いに使用する資料まとめを担当した、当時のHRC開発関係者の堀井義之氏。

今回の企画の発起人でNXR750開発関係者の増田耕二氏。集いの開催に至る経緯などが紹介されました。

『HRCのNXR開発奮戦記』著者の西巻裕氏。書籍復刊後の西巻氏と増田氏の「同窓会をしたいね」というやり取りが今回の企画の実現につながったとのことです。

当時常務取締役で、全体統括を担当した松田稔氏。パリ ダカールラリー4連覇はいかに困難であるか、それをどのようにして実現していったのかなどの概要を説明しました。また、この活動が1988年のアフリカツインの市販につながり、現在でも継続販売されていることは、開発メンバーの誇りでもあることが紹介されました。

次にエンジン設計を担当した後藤田祐輔氏が登壇し、技術面でのエピソードを披露。エンジン形式の決定に至るまでに、数多くの検討を実施したことなどを具体的に紹介しました。

最後に車体設計を担当した服部茂氏。大容量の燃料タンクを設置することや、スタイリングへのこだわりなど、たくさんの課題に直面しながらも限られた時間でこれらに対応していったとのことでした。

集いの会場内と、Hondaコレクションホール中庭に計4台の優勝モデルが展示されました。上から、1982年優勝車「XR500R改」、1986年優勝車「NXR750」、1989年優勝車「NXR750」、2020年優勝車「CRF450 RALLY」(Hondaコレクションホールでは今回が初公開)。

会場内には、開発関係者が持ち寄った当時の貴重な資料が数多く展示されていました。当時のゼッケンやライダーのサイン入り写真など、来場の方々は興味深く見入っていました。

当日は晴天に恵まれ、中庭に展示された優勝車と一緒に、来場の方々が記念撮影をする時間が設けられました。

集いは盛況のうちに終了の時刻となりました。13名の開発関係者の方々は、人によっては20~30年ぶりの再会ということもあって話が尽きず、終了後も当時の思い出話に花を咲かせていました。

日本におけるラリー活動では、4輪車の情報のほうが比較的入手しやすい印象がありますが、かつて2輪車で4連覇、という偉業が成し遂げられたことは、しっかりと後世に伝えていかなければならない……と改めて感じさせられたイベントとなりました。

◎「NXR750 HRC開発者の集い」出席者(順不同、敬称略)
松田 稔(常務取締役)、後藤田 祐輔(1985 Test~1987 Model LPL ENG設計)、服部 茂(1988 Model LPL FRA設計)、磯村 守(FRA 設計)、樟 幸久(ENG 設計)、酒井 保太郎(整備GR)、西山 亮策(ENGテスト)、高橋 恭(HGA 材料研究)、荒川 正弘(キャブ KG)、小原 邦英(管理GR)、八木 隆(管理 GR)、堀井 義之(1989 Model LPL FRA設計)、増田 耕二(完成車 テスト) ※カッコ内は当時の役割を表す

レポート:山田国光
写真協力:小関和夫