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2021年4月 7日

2021年3月28日(日)、二子玉川ライズにて電気自動車の展示会「EV:LIFE FUTAKOTAMAGAWA」が催されました。その様子をお届けします。(レポート:相原俊樹)

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去る3月28日、都内の会場にて電気自動車に特化した展示会が催された。そのときのソニーの出展の様子をお知らせしよう。

「EV:LIFE FUTAKOTAMAGAWA」と題したそのイベントを主催したのは 自動車専門誌『ル・ボラン』。会場は東急新玉川線・二子玉川駅に隣接するオープンスペース「二子玉川ライズ ガレリア/中央広場」で、内外の自動車メーカー12社が電気自動車(以下、EVと記す)を出展した。最新のEVが一堂に会する国内では初めてのイベントだという。

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会場入り口に掲げられたイベントの案内表示


なかでも注目はソニーが製作したコンセプトカーVISION-S(ヴィジョンエス)。私は開場の午前10時とほぼ同時にソニーのブースに到着したのだが、すでに報道陣を含め黒山の人だかりができていた。

昨年の「CES 2020」にて一足先に公開されたVISION-Sは、ソニーがEVの製作に参入する意欲を具体的な形で示した話題作。CESはアメリカ・ネバダ州開催される電子機器の見本市で、今回の二子玉川でのイベントが国内初の一般公開になるため、大きな注目を浴びることになった。

グレーのメタリック塗装を施されたボディは堂々たる体躯を誇る。全長:4,895mm、全高:1,450mm、全幅1,900mmは、全長を除いておおよそテスラ・モデルS(4,970 mm×1,445 mm×1,964mm)に近い。

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展示車両の堂々たる体躯


車両重量は2,350 kgとさすがに重量級だが、フロントとリヤに定格出力200 kW のモーターを搭載した4輪駆動で、0-100km/hを4.8秒で加速し、最高速度は240km/hに達する。紛うかたなき高速サルーンだ。

設計の主眼の一つが先進技術を駆使した高い安全性で、「ソニーの車載向けCMOSイメージセンサーを中心に、車内外に搭載された合計40個のセンサーが、走行時の安全に常に目を光らせます」と謳う。

ソニーらしいと感じるのは乗る人のエンタテインメント性を強調した部分。「360 Reality Audio」と称する新設計のオーディオシステムにより、乗員は全方位から音に包み込まれるような没入感のある立体的な音場を体験できるのだという。

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通常のリヤビューミラーに代わり、カメラが捉えた後方の風景がダッシュボード左右に備わる高輝度・高解像度モニター画面に映し出される。

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後席は完全なセパレートシートなので乗車定員は4名。後席のモニターも乗員それぞれに用意される。ボディの外装、室内の仕上げともに非常に高い水準にある。


では、自動車に求められる基本的な三要素「走る、曲がる、止まる」についてVISION-Sはいかに対応しているのだろう。公表された仕様書を見てわかるのは、サスペンションが前後ともにダブルウィッシュボーンであることとタイヤサイズだけだ。

EVでは商品性の眼目の一つとなる航続距離やバッテリーの詳細に関しても、インターネット上で閲覧できるメーカー資料でも触れてないようだ。

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21インチの大径ホイールからは通風口つきのブレーキディスクが見える。キャリパーはブレンボ製を採用していた。タイヤはピレリのPゼロでサイズは前:245/40R21、後ろ: 275/35R21。


巷間伝えられるところによると、実際の車両製作はオーストリアのマグナ・シュタイアが行ったらしい。マグナ・シュタイアは自動車メーカーが生産ラインに乗せるには採算が合わない少量生産モデルを請け負う専門メーカー。車両の製造だけでなく、設計にも深く関与するので、VISION-Sの製作を委託するには恰好の選択だったと思われる。

この日の展示会で配布されたパンフレットには開発責任者である川西 泉氏のインタビュー記事が掲載されていた。氏はVISION-Sを開発するに当たり、「やるからには単なるモックではなく、リアリティのあるものを出したかった」と語る(モックとは試験用の実物大模型を指す)。

ソニーがVISION-Sにかける意気込みはこの言葉からも窺えるが、その一方で、量産の予定はない模様。

果たしてソニーの意欲作が今後のEV開発一般にどのような波及効果をもたらすのか。これからの展開に期待が募る。