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2019年7月 4日

富士スピードウェイにて「BMW MOTORSPORT FESTIVAL 2019」が開催されました。その様子をお伝えします。(レポート:相原俊樹)

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去る6月23日、富士スピードウェイにて「BMW MOTORSPORT FESTIVAL 2019」が開催された。フェスティバルというタイトルと、副題の「Welcome to M Town」からわかるように、主役をBMW Mモデル置いた、広く一般の人に楽しめるイベントだ。

オープニングセレモニーではビー・エム・ダブリュー株式会社 代表取締役社長のペーター・クロンシュナーブル氏に加えて、ドイツから来日したBMW M社 セールス&マーケティング 担当執行役員ピーター・クイントゥス氏があいさつ。このことからも、BMWがこのイベントにかける意気込みを感じた。

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オープニングセレモニーで来場者にあいさつするペーター・クロンシュナーブル氏(右から2番目)とピーター・クイントゥス氏(右から3番目)。

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会場の一風景。この写真は午前中の撮影だが、午後に入ると入場者数は一気に増え、一段と活況を呈した。


当日は最新のMモデルが展示されたのはもちろん、プロドライバーが運転するMモデルに同乗して富士スピードウェイのコースを走ったり、参加者自身がハンドルを握ってショートコースを走ったりと、盛りだくさんのプログラムが催された。

BMW Mの新たなフラッグシップ・モデルM8
来場者が様々なイベントを楽しむなか、メインストレートに隣接するピットでは報道関係者に向けてBMW Mの新型3種が発表になった。そのなかから、本稿ではM社の新しい旗艦モデルM8を紹介しよう。

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ピットに特設された会場に光とサウンドが交錯する。ベールを取られる瞬間を待つM8。


この日、報道陣に向けて発表になったBMW M8にはM8と、それをさらに先鋭化したM8 Competitionの2種がある。どちらも先に登場した8シリーズ クーペをベースにしており、ここではまずM8の、次いでM8 Competitionを紹介する。

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姿を現したBMW M8クーペ。

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車両解説はBMW M社 セールス&マーケティング 担当執行役員 ピーター・クイントゥス氏(向かって左)と、BMW M社 セールス&マーケティング マネージャー ローター・シュペッ氏(右)が行った。


M社最強のV8エンジンを搭載
外観はエレガントな8シリーズのスタイルを守りつつ、ダブル・バー・キドニー・グリルや、ボディ側面のエア・ブリーザーに備わるMギル(ギルとは魚のエラのこと)など、Mモデルを象徴するデザイン要素を採り入れている。

インテリアには、M レザー・ステアリング・ホイール、M のロゴが刻まれたセレクター・レバーなどを備える。新開発のスポーツ・シートは立体的なデザインで、ドライバーを快適に包み込む。

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まず機構面での注目は、M社が開発した最も力強いV型8気筒Mツインパワー・ターボ・エンジンだろう。

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2 基のターボチャージャーへ排気ガスを供給するエグゾースト・マニフォールドは、クロスバンク型を採用することで、最大限に排気エネルギーを活用しながら素早いレスポンスを可能にする。一方、燃焼室に燃料を供給するダイレクト・インジェクション・システムの最高噴射圧力を350bar まで高めることで、極めて微細な霧状の燃料噴射を実現、より高効率な燃焼が可能になった。

オイル供給にはサーキット走行を考慮して、オイル・パンのフロント側に小型のオイル・チャンバーを搭載、極度の横および前後Gがかかる状況下でも、必要に応じて小型チャンバーから追加でオイルを供給する吸引システムを採用している。

V8ガソリンエンジンの排気量は4,395cc、最高出力は600PS(441kW)/6,000 rpm、最大トルクは750Nm/1,800-5,800rpmだ。


初採用の専用ブレーキ・システム
M8 のインテグレーテッド・ブレーキ・システムでは、非バキューム式のブレーキ・ブースターを初めて採用している。通常のバキュームに代わり、ブレーキ圧は電動アクチュエーターが生むのだ。これにより素早く正確な制御が可能となるほか、任意に車両の減速度を調整できるので、あらゆる状況でドライバーが思い描くペダルフィールを実現したという。

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同ブレーキ・システムには、快適性重視の「COMFORT」モードと、素早い反応を重視した「SPORT」モードの2 種類の設定があり、減速させるのに必要なペダルの踏み込み量を変更できる。そのため、路面が濡れている、横方向の加速度が大きい、ブレーキ温度が高い、といった状況下でも、ペダルの感覚を一定に保ち、常に正確に制動力を制御する。なお、バキューム式ブースター比で約2kg の重量削減を実現している。


最新鋭装備を完備する4WD
インテリジェント4 輪駆動システムM xDrive は、トルクを前後輪に無段階かつ可変的に振り分け、アクティブM ディファレンシャルが左右後輪間のトルクを最適化して振り分ける。これにより、走行状況に応じてトラクションを最適化し、俊敏性と走行安定性を大幅に向上させる。

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M8 では、ダイミック・スタビリティ・コントロール(DSC)の介入は極端な状況のみに限定されており、エンジンが生むエネルギーを、推進力としてほぼ無駄なく利用できる。M xDrive は後輪駆動重視で、後輪に優先的に駆動力を振り分けるが、車両が安定性を保つために必要なタイミングを見極めて、前輪にも駆動力を供給する。

さらに、ドライバーが前後アクスルの間の駆動力配分を設定することも可能で、初期設定の「4WD」モード、ほぼ後輪駆動に近い「4WD SPORT」モード、DSC をオフにして完全な後輪駆動となる「2WD」モードが用意される。

なお、M8ではMモード・ボタンを新設した。「ROAD」は基本設定として全ての運転支援システムが有効になり、「SPORT」ではドライバーが任意に設定した情報に基づいて、前車接近警告および衝突回避・被害軽減ブレーキを除く全てのブレーキやステアリング・システムへの介入を無効にできる。

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一層アグレッシブなM8 Competition
M8を一層先鋭化した Competitionもラインアップ。デザイン面では、ハイグロス・ブラックのキドニー・グリルとモデル・バッチ、ドア・ミラー、リア・スポイラーを装備する。

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Competition専用のツインターボV 8エンジンは、車両構造部との接続部をより強固にする、極めて硬い専用エンジン・マウントを採用し、より直接的に動力を伝達する。最高出力は625ps(460kW)/ 6,000rpm、最大トルク750Nm/1,800-5,800rpm。

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この日の記者発表会では、M8 Competitionカブリオレも今年第4四半期にラインアップに加わることが明らかにされた。


M8、M8 Competitionともに、M社が「本格的なサーキット・モデルながら公道走行も可能」と謳うほどの硬派なモデル。私は両車のベースになったBMW M850i xDriveクーペに試乗した経験があるのだが、このモデルにして、その底知れぬ俊足振りに驚愕した覚えがある。はたしてMの技術陣がどれほどまでに限界を高めたのだろうか、スペックを概観しただけでは想像もできない。ちなみにヨーロッパ仕様Competitionの0-100km/h加速は、3.2秒である。

価格はM8が2230万円、M8 Competition が2433万円。本稿をお読みになって興味を持った愛好家諸氏は、最寄りのBMW正規ディーラーに問い合わされたい。