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2025年5月19日

2025年4月27日(日)、東京サマーランド(東京都あきる野市)の第2駐車場で「第17回モンキーミーティングin多摩」(主催:モンキーミーティング事務局)が開催されました。昨年に続き、弊社編集部も参加しましたので、レポートをお届けいたします。(まとめ:編集部)

モンキーミーティングは、「ホンダ・モンキーユーザーに、親睦交流の機会を提供すること」「モンキーをテーマにHondaの二輪文化を発信すること」を目的に開催されるイベントです。イベントのタイムスケジュールは以下の通りです(モンキーミーティング公式ホームページより)。

09:00~11:00 開会/参加受付け
09:00~15:00 フリードリンクサ-ビス
10:00~15:00 ホンダ最新原付モデル試乗会(休憩時間帯あり)
12:00~13:00 ランチサービス
13:00~14:00 バイクフォーラム
 テーマ:バイオ燃料の可能性
 ゲスト/ホンダ テクニカル カレッジ 関東エコマイレッジ・バイオ燃料クラスチーム
 MC/小野木里奈さん(女優・バイクレポーター)
14:30~15:30 モンキーミーティングコンテスト表彰式
15:30~16:00 解散/閉会

試乗会は、Hondaの最新型の原付(110㏄~125㏄)モデルが試乗体験可能となっていました。
午前9時の開会の後、10時45分ごろからは沖縄出身の女性アーティストによるクラリネットの演奏が行なわれました。

沖縄県出身の添石紗静(そえいし さちか)さんによるクラリネットによる生演奏は、選曲も良く、ホンダのコマーシャルに使われていた曲も披露され、会場を盛り上げてくれました。

続いて11時からは、自動車整備士と開発エンジニアを育成する学校であるホンダ テクニカル カレッジ 関東から、Hondaが主催する燃費性能を競うモータースポーツ「Honda エコ マイレッジ チャレンジ」に参加した学生の方2人が登壇されて、トークショーが開催されました。午後1時から始まった「バイクフォーラム」でもこの2人が登壇し、「バイオ燃料の可能性」をテーマにトークが行なわれました。

左側がドライバーを務めた小口さん、中央が高瀬さん。右がMCを務められた女優・バイクレポーターの小野木里奈さん。手前はホンダ テクニカル カレッジ 関東によって製作されたカウルを外した状態のレースマシン。

トークショーの内容
ホンダ テクニカル カレッジ 関東は、幅広い年齢層の学生が学んでいる学校だそうです。
エコマイレッジ・バイオ燃料クラスチームでは、レースマシンとしてリトルカブのエンジンをベースにして部品はアルミ等から削り出してモデルを製作。レースは全国の大学により争われる約1時間のレースで、空気抵抗を意識したドライビングポジションは苦しく、10月のレース中のキャビン内はかなり暑くなるとドライバー役の学生さんは語っていました。
レースに使われる燃料は植物から生成したカーボンニュートラル(CN)燃料で、化石燃料に頼らないのがバイオ燃料であり、燃費はガソリンとほとんど変わらないとのこと。使用において最大の問題点はコストであり、1リットルあたり1000円ぐらいと高額なこと。CN燃料の排気ガスはガソリンのようなにおいは全くなく、無臭に近く、薬品のような変わった匂い(オリーブオイルが燃えたようなにおいという意見もありました)でした。

エンジンはリトルカブ用がベースで、シリンダーフィンはすべて削られています。中央に位置するブラウン色の液体がCN燃料で、色は着色されているそうです。
トークショーの途中では、特別にエンジンをかけてもらい、観客は独特のエンジン音を聞いたり、CN燃料の排気ガスを嗅いだりすることができました。

ホンダ テクニカル カレッジ 関東の木野内英和先生からは、
「エコマイレッジチャレンジは燃費のレースであり、平均時速25km/h以上で競う。
1チーム7名で全国のライバルの大学などを相手に挑戦して、当校のチームはリッターあたり703.5kmをマークしている。
1レースごとにエンジンはオーバーホールが必要となり、チームメンバーの中から一番体重の軽い人間が乗車、少しでも軽量化したいのでレース前には減量する努力もしている。
レース中のトップスピードは、50km/hぐらいはマークしている。
耐久レースの一つであり、平均時速が最終的にぴったり25km/hになるようにレースのマネージメントを行なっている(主にGPS情報を活用している)。
失敗も多くあるが、次の対策をチームメンバーみんなで相談して考えている」
ことなどを教えていただきました。

質問に的確にそして丁寧に答えてくれたエコマイレッジ・バイオ燃料クラスチームメンバーの学生の皆さん。

チームメンバーの方々に以下の質問をして回答を得ました。
①アイドリングはあるのか?
 →基本的にありません。
②ライバルを抜くときなどどうする?
 →視界があまり良くないのでレース中はお互いに譲り合うことで衝突を避けています。
③希薄燃焼の技術は?
 →チームメンバー同士で意見を交換して実行しています。
④レースの意気込みについて
 →6月と10月に大会(もてぎでレース)に出場していて今は4桁のkmの燃費記録を目指して研究中で、今後はリッターあたり1000㎞を超えることが目標です。
⑤レース用マシンとエンジンに関して
 →マシンのブレーキなどは、軽量化も意識して自転車の部品を流用していて、搭載しているリトルカブのエンジンのピストンはノーマルをそのまま流用しています、ピストンリングだけ抜いてフリクションを減らしていますが、ピストンスカートをとることも検討中です。レース中のエンジン回転は、4~5000rpmをキープしているのは、5000rpmが一番トルクあるからで、タイヤはチューブタイプのエコラン用の専用タイヤです。

この日、2台の二輪車が展示されていましたので最後にご紹介します。

ロードパル(実動車)はゼンマイ式の初期のタイプで、ホンダ テクニカル カレッジ 関東の学生の一人の方が見つけて購入したそうで、これから修復をする予定の車両です。

このDREAM50はフレームナンバーNo.1という極めて珍しい車両で、試作車のためエンジンのクランクケースなどは砂型でつくられています。発見された時には、倉庫の隅で埃だらけになっていたのですが、この眠っていた車両をホンダ テクニカル カレッジ 関東の学生たちが1年間ぐらいかけて実動するまでに修復したそうです。関係者の話によればこの初号機の試作車は、「東京モーターショーに展示されたそのものではないか」との興味深いお話をお聞きしました。

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