■第4回 佐世保駅前

2026年2月27日

JRの駅では最西端に位置する長崎県佐世保市の佐世保駅前の風景です。絵はがき中央の特徴的な塔を持つ建物は、1931(昭和6)年に建設された三浦町教会です。「広報させぼ」の佐世保の近代化遺産によると、戦時中、三浦町教会は空襲を避けるために、コールタールで黒く塗られたとのことです。この絵はがきでは、まだ黒く塗られたままと思われる三浦町教会が写っています。現在では、元の白色に戻され、訪れた人の目を楽しませています。

絵はがきの中の駅前ロータリーには、タクシーと思われる車両が見えます。右手前の水色と青色の車両は4ドアなのでDB4型以降のダットサン・セダン、えんじ色の車両はダットサン・スリフト・4ドアセダンDS系、奥の緑色の車両はダットサン・コンバー・セダンDS6型と思われます。

『日産自動車三十年史』によれば、ダットサン・コンバー・セダンDS6型は1954(昭和29)年に5カ月間のみ生産されたとあり、珍しいモデルといえます。ダットサン・コンバーは、ダットサン・セダンシリーズ(DB系)と平行して販売されました。コンバーとは、「コンビニエント・カー」の略で、便利に使える車を意味しています。コンバー・セダンは既存のスリフト・セダンに比べ車体強度と剛性が強化されており、耐久性を著しく増しながら車両重量は減っているとされました。しかし、外部に生産を委託していたボディに難点が発覚し、早期に生産が打ち切られたそうです。1955(昭和30)年発売のダットサン110型からは、一部ボディの社内生産が始められ、今日の日産自動車における、乗用車生産の基盤が作られました。

三樹書房編集部
協力:ノスタルヂ屋
松浦正弘

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