■ミニカーは成長とともに楽しめ、自分の思い出を彩ってくれる存在
2025年12月5~7日に、トミカのイベント『ファンミーティング』が秋葉原UDXで開催されました。
初日の第1回目に参加したのですが、大盛況でした。こんなにもトミカファンが多いということを改めて認識しました。
入り口は長蛇の列となり、子どもから大人まで、本当にたくさんの人たちが訪れていました。
トミカは、子どもも大人も楽しめるおもちゃで、成長とともに思い出が重なり、人生の1ページ1ページを彩ってくれる存在だと思いました。それに伴って、トミカも商品企画として子供向け、大人向けの商品をそれぞれバラエティ良く取り揃えています。
ミニカーには、成長の記憶がさまざまな場面で刻まれます。
特別ゲストのDAIGOさんは、自身とトミカについてこう語りました。
「2歳前の子どももトミカが大好きで遊んでくれます。トミカの55年の歴史は、自分の年齢よりも長いんです。もちろん、子どもの頃から自分もトミカで遊んできました。トミカで遊ぶことで、子どもの成長に合わせて、自分も一緒に成長している感覚があります」


■日本中のファンから愛されるトミカを実感!とトミカの新たなチャレンジ発表
今回のファンミーティングは、トミカ55周年を記念したイベントでした。本来であれば、5年前に50周年イベントを企画していたそうですが、前述のコロナ禍の影響で中止になったとのことです。そのため、50周年の代わりとして“55周年”という節目の年にイベントが開催されたのだそうです。
筆者は、50周年の1年前に開催された東京モーターショーで、トミカ50周年の展示に触れた経験があります。ミニカー好きの筆者は、説明員を担当していたSUBARUブースの休み時間を使って、展示の写真をしっかりと撮影していました。下の写真は、当時のトミカ告知と展示物の様子を撮影したものです。

今回のトミカ55周年イベントでは、驚きの発表がたくさんありました。
オープニングセレモニーでは、まず「トミカ・オーナーズクラブ」の発足が発表され、2026年夏から活動を開始するとの告知がありました。その後、新シリーズ「トミカREBORN」と「Tomica Custom Works」が披露されました。
「トミカREBORN」は、昔のトミカを車種はそのままに、現代の技術で再現して再販する企画です。第1弾はマツダ・ファミリア1500XGで、2026年1月に発売とのこと。このクルマは1980~1985年当時、赤いファミリアとして大きな話題となり、特に若い女性に人気がありました。当時、筆者は大学生でカーデザイナーを目指していたこともあり、このトレンドは強く印象に残っています。「赤いファミリアに乗りたい」と色指定で言われるほど、新鮮で魅力的な赤色が話題でした。また、このファミリアは日本カーオブザイヤーの第1回受賞車でもあります。
デザインは直線的でボクシー。ちょうどジョルジット・ジウジアーロが手がけたVWゴルフが世界中で大ヒットしていた時代で、直線的なボクシーなスタイルがトレンドとなっていました。このファミリアは、低迷していたマツダに追い風をもたらし、復活のきっかけの一つとなったモデルでもあります。
「トミカREBORN」は、この後もラインナップが続々登場予定です。価格はレギュラー・トミカより高めの880円に設定されていました。

トミカ・カスタムワークスは、トミカのデザイナーが実車を自由にアレンジし、斬新なデザインでミニカー化する企画です。発表されたトミカは、遊び心あふれる魅力的なデザインが特徴です。
海外ではホットウィールがこうした自由なアレンジを得意としていますが、日本でどこまで受け入れられるか、非常に興味深いところです。
現時点ではまだ木型データの段階ですが、日産シルビアとホンダNSXをベースに、大きなブリスターフェンダーで武装したデザインがスクリーンに映し出されました。力強い走りを予感させる、迫力ある仕上がりになっています。
イベント当日は、別会場でトヨタの豊田章男会長も出席されて、トヨタGR-GTとGR-GT3の商品化が発表されました。秋葉原のこのイベント会場では、商品化されたトミカの展示がありました。

物販目当てで来場されたお客様には、このイベントでしか手に入らないトミカが多数用意されていました。トミカのイベントにはさまざまな楽しみ方がありますが、まずは「物販でのゲット」が最優先です。
会場には、エヴァンゲリオンRT初号機メルセデスAMG GT3 EVOの実車が展示され、そのトミカが特別発売されました。価格は2750円とお値打ちで筆者も迷わず購入しましたが、つくりの良さに大満足でした。
この連載の第5回でも触れましたが、現在のミニカーの価格高騰は驚くべきものです。普通のトミカは550円ですが、トミカプレミアムは935円から。それでも価格が上がる分、ヘッドライトやリアコンビランプに樹脂部品を使用するなど、本物感が増し、所有欲を満たしてくれます。小さなスケールながら超微細なディテールを実現しており、思わず虫眼鏡で見入ってしまう精密さです。日本の技術力の高さに脱帽です。
生産はベトナムで行われており、自動化された工程のほか、細かい塗装やシール貼りは手作業で行われています。その手間を考えれば、価格が高くなる理由も納得です。実際に生産現場のVTRを見ましたが、驚くほど丁寧で時間のかかる作業が行われていました。
さらに上級ラインとして、大人向けミニカー「トミカ・リミテッドヴィンテージ」シリーズもあります。スケールは1/64に統一され、日本の旧車やフェラーリなどの欧州プレミアムスポーツカーがラインナップされています。価格は3000円以上と“大人の高級おもちゃ”で、フェラーリなどは7800円に達することもあり、日常では気軽に購入できない領域です。ボーナス時にお気に入りの1台を手に入れる楽しみがあり、コレクションとしての価値も高まります。
このシリーズも、価格に見合った精密な作りです。特にダイキャスト(亜鉛合金)での再現は難しいのですが、タカラトミーの金型技術によって驚くべき精度で実現されています。筆者は虫眼鏡を使い、ディテールをじっくり鑑賞して楽しんでいます。
その他、会場にはさまざまな展示がありました。大きなジオラマでは、ミニカーが生き生きと走っている様子が再現されていました。また、来場者が持参したお気に入りのトミカを置いて写真撮影ができるジオラマもあり、こちらは昭和の街並みを模したセットで、1960年代の旧車ミニカーがよく似合う演出になっていました。
展示の中には、アルミ合金を削り出してつくられた限定100台のミニカーも登場しました。イベント初日で完売となったとのことですが、価格はなんと22万円!驚くほど高価なミニカーです。購入理由は、コレクションというより投資目的かもしれません。
筆者としては、じっくり眺めたり、ギミックを開閉させて遊んだりできないミニカーには少し違和感があります。筆者は“TOY”として遊べるギミック付きのミニカーが好みです。また、筆者の中で“HOBBYとしてのミニカー”は1/43や1/18スケールで楽しむイメージがあるため、トミカのような小さなミニカーはもっと身近に楽しめる存在であってほしいと思います。
とはいえ、購入者が満足できることが何より重要です。それぞれの価値観で楽しむことができれば、それでよいのだとも感じました。







■トミカー・オブ・ザ・イヤー発表!
12月7日の最終日には、日本カーオブザイヤーとのコラボレーション企画として、“トミカー・オブ・ザ・イヤー”が発表されました。これは、トミカのオーナーにアンケートを実施し、以下の3カテゴリーで最優秀トミカを選出するものです。①乗用車部門 ②スポーツカー部門 ③はたらくくるま部門
乗用車部門で栄えある第1回の最優秀トミカに選ばれたのは、なんと SUBARU サンバー でした! 嬉しさを通り越して、驚きの結果です。しかし、なぜ“はたらくくるま部門”ではなく乗用車部門だったのか、少し疑問が残ります。
スポーツカー部門の最優秀トミカは ホンダ・プレリュード、はたらくくるま部門では スーパーアンビシャス が選ばれました。


以上、ミニカーファン、トミカファンにとって素晴らしいイベントでした。トミカの企画・設計・生産の皆さんの努力がひしひしと感じられました。今後も素晴らしいトミカに期待しています。


