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2019年3月 4日

新型リーフに試乗しました。その様子①をお届けします。(レポート:武川明)

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新型リーフ(e+)試乗記①
EV「リーフ」はどれだけ進化したのか?

日産の電気自動車(EV)「リーフ」に62kwhという大容量バッテリーを搭載したe+(Eプラス)が追加され1月23日発売された。初代モデル登場から8年2か月、40kwhバッテリー搭載の2代目モデル発売から1年3か月。電気自動車への理解は当初は決して高くなく、関心がある層からも「航続距離が短い」、「頻繁な充電が面倒」などと敬遠されがちだったリーフだが、2代目の登場でそうしたマイナス材料を払しょくし、十分実用域に到達した。さらに今回のe+の一充電航続距離は実走行でも優に300キロメートル(JC08モードでは570キロメートル、新しい測定方式であるWLTCモードでも458キロメートルに達する)を超えるとみられ、日常使用ではガソリン車にそん色のない使い勝手と実用性を与えられたといえよう。初代リーフ(24kwhバッテリー搭載)に5年半乗り、日々"わくわく、どきどき"を"満喫"している立場から最強のリーフであるe+を評価してみたい。

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試乗した新型リーフe+G<2WD>

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新型リーフe+のインバーターはさらに性能が向上した


日産自動車が2月下旬、横浜市の日産グローバル本社で開いた公道試乗会・商品説明会に参加した。説明員によると、e+発表以降、お客様のリーフへの関心は高く、販売会社店頭への来店が目に見えて増えたという。そして、40kwhモデル、60kwh搭載のe+ともバランスよく受注されているとのことだ。

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2017年9月6日に発表された2代目リーフ


両モデルの主な違いは、バッテリーの搭載容量が約1.5倍(55%増)になったこと(これにより航続距離は40%向上)、インバーターの改良などにより、加速が大幅に向上(最高出力が45%、高速域での中間加速が13%それぞれアップ)、さらに全車(Xグレード、Gグレードの2タイプ)に本革シートが標準搭載されたことだ。2代目リーフは高速道路での運転サポート技術「プロパイロット」、自動駐車システムの「プロパイロットパーキング」などを搭載し、インテリジェント・モビリティーとして日産の先進安全技術の牽引役となっているが、これらの技術は40kwhモデル投入時にすでに導入済みで、このあたりに目新しさはない。ただ、担当者による商品説明を聞くと、随所に改良が施されており、「おっ」と、耳をそばだてることが何度もあった。

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2010年12月3日に発売された初代リーフ。24kwh容量のリチウムイオンバッテリーを搭載した

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2015年11月10日に改良されたリーフはバッテリー容量を30kwhに拡大


初代リーフオーナーとして最も関心のあるのはバッテリーのコントロールだ。大容量になったのはもちろん喜ばしいことだが、熱コントロール、劣化対策(電気自動車といえども電池の経年劣化は避けることができない)がどのように向上しているかだ。プラットフォームは初代のAZ-E0のものを基本的に踏襲している。24kwhから62kwhへと2・5倍に容量は向上したにも関わらず、バッテリー搭載スペース(容積)は同じままだ(後述するが、正確にいえば、今回若干の拡大は見たが、あくまで若干だ)。同じスペースの中に2・5倍のものをぎゅっと押し込めば、当然、熱がこもり、排熱は難しくなる。熱はバッテリーにとって大敵であり、当然、バッテリーの劣化を招くのではないか?。そうした懸念を持っており、今回の試乗会・説明会での個人的最大の関心事であった。事実、わがリーフのバッテリーはわずか5年弱、走行距離3万キロそこそこで"2セグ欠け(12セグから10セグへ=実容量の低下)"に至っており、メーターに表れる航続可能距離は新車時よりかなり短くなっている。またAZ-E0の改良版でバッテリー容量を30kwhに拡大したモデルはバッテリー劣化の速さが米国などで指摘されたし、2代目AZ-E1の40kwhモデルも夏場の高温時の高速・長距離走行の際の充電時及び走行時の入力量・出力のコントロール(強制低下)が報告されている。

こうしたことから、e+発表直後に販売会社の担当セールスと雑談した際、熱対策について尋ねたところ、ディーラー向けの商品説明によれば、何らかの熱対策が施されているらしいと言っていたが、その詳細は明らかではなかった。

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初代リーフのバッテリーモジュール

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2代目リーフ(容量40kwh)モデルのバッテリーモジュール

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e+(容量62kwh)のバッテリーモジュール


その具体的な中身については、今回の試乗会・説明会で初めて知ることになるのだが、それは想像していたバッテリー冷却装置のようなものの付加(追加)ではなく、バッテリーモジュールの生産技術の高度化、具体的には「ハーネスの基盤化とレーザー溶接の採用」、セルの3並列化などによるものであった。このレーザー溶接なるものがなぜ熱対策になるのか、3並列化がどういう効果をもたらすのか、あるいは日産のEV用電池のマネジメント技術が初代リーフ投入以降8年の間にいかに進化したかについて、試乗後の開発担当者との懇談も踏まえ、次回にご紹介したい。
(武川明)