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2018年12月28日

スーパーカブC125の試乗記をお伝えします(レポート:小林謙一)

 60年にも及ぶ長い歴史の中で、スーパーカブの最大排気量モデルであり、初めてディスクブレーキが採用されるなど、現代のオーバイの装備を持つスーパーカブC125(以下C125 )は、初代スーパーカブC100(以下C100 )譲りのデザインも含めて興味深い新型モデルである。気になっていたこのC125の広報車両を試乗できたので、そのレポートをお届けしたい。ほぼ新車といえる状態のこのC125は、評判通り各部のつくりは良く質感の高さを感じる。塗装面の仕上がりも良く、エンジンクランクケース部も渋い銀色に塗装されており、フロントのレッグシールドも厚くしっかりしていて、全体に剛性の高いイメージである。

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 C100を彷彿させるようなリアウインカーやテールレンズも丈夫に取り付けられている。フロントウインカーもC100のデザインを取り入れたものだが、残念な点は、走行中にウインカーの点滅が全く見えないことである。メーター内のインジケーターは、左右に独立していないタイプでウインカーが点滅していることのみを伝えるもので、できれば安全性向上の為にもフロントウインカーの点滅は、歴代のモデルと同様に運転中に見えるようにして欲しい。またウインカースイッチは左グリップ中央にあるクラクションスイッチの下にあり、今までのオートバイに乗ってきた人間には違和感がある。アジア地域ではクラクションを多用する国が主力のための配置であるが、日本では使いにくい。できれば右側に従来型のウインカースイッチを移動するなど検討して欲しい。

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 ポジションは不思議にデザインと同様にC100に近く、ハンドルポストが低く、コンチネンタルハンドルタイプを運転しているイメージである。シート高は低く、車体も大きくてゆったりしたポジションで176cmの筆者には余裕がある。ボディサイズはスーパーカブC50(以下C50 )よりふたまわりほど大きくて重い。ただし取り回しは苦にならずセンタースタンドも重くない。

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 ひとつ気になった点だがサイドスタンドはもっと地上に接地する部分を大きくした方が駐車する際に安心感がある。C50(写真)のように改良して欲しい点のひとつである。また標準装着のリアキャリアは小さくて、使いやすいとはいえない。荷物を積むような仕事での利用にも配慮してオプションでも良いので大きな荷台が欲しいと思う。またレジャー仕様でC125 は一泊程度の荷物を積んでツーリングすることも可能だろうから、やはり荷物がしっかりと積めるリアキャリアを必要だろう。

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ホンダスーパーカブC50のサイドスタンドは、写真のように接地面が広く、重量物を積んだ際に土のような地面にもめり込まない工夫がされている。また、サイドスタンドの戻し忘れに効果を発揮するゴムラバーも装着されている。

 4サイクルのC125のエンジンは、セルを1回押せばすぐに始動した。エンジン音は今までのカブシリーズの最大排気量らしく太く、単気筒らしい力強い音質である。エンジンは軽く吹きあがり加速力も十分。トルクも十分にあるので、2速での発進も可能なほどである。ブレーキはリアはドラムブレーキだが、フロントはディスクブレーキが採用されたので強力に効く印象で制動力も十分である。ここは従来のモデルとの大きな違いだろう。やはり強力なブレーキは走りの安心感につながるが、前後のサスペンションは比較的硬く、今までのスーパーカブC50 のようなしなやかさは感じられない。現代のロードバイクの印象である。キャストホイール装着もその原因のひとつだろう。またなぜかフロントフォークは少し立ちぎみな印象で、コーナリングでは少し落ち着かない印象をもった。

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 デジタルメーターは、センターにギアインジケーターが付いており、走行中もギアの位置がわかり便利だった。積算計に加えてトップメーター、時刻もデジタル表示され、アナログのスピードメーターも見やすいが、やはりこのクラスであればタコメーターは欲しい装備である。C100のよりも派手なレッド地のシートは固く、長距離に向いているのかなど、残念ながら100km走行程度の試乗テストでは確認できなかった。

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 エンジンキーは今の流れでスマートキーを採用しているが、使い慣れてしまうと四輪車と同様に便利になるだろう。スマートキーを持っていれば、ハンドルロックもセルスイッチ部分を回すだけでロックがかかるようになっているので非常に使いやすい。また、エンジンがかかっている時は、シートは完全にロックされた状態になり、エンジンを止めた後にシート下にあるプッシュ式のオープナーを押すと「カチッ」と開く様になっている。このシステムにより、ガソリンコックにはキーロックは付いていない。サイドケースは、シートベース部にあるオープナーで開けることができる。

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 アイドリング時はカブシリーズ同様にいたって静かであり、住宅地での夜間での帰宅も気にならないだろう。今回は実用燃費は測れなかったが、走りは力強く特に中間加速(20km/h~40km/h)はとても速く、都内の交通の流れにも十分乗れる実力があり、安全な運転にもつながっていると感じた。
 総評として、C125は今までのカブシリーズの中で、最大の排気量と充実した装備により、長距離ツーリングにも耐えうるオートバイであり、ビジネスユースにもサイドスタンドやリアキャリアに少し手を加えると、その能力を発揮できる資質を持ったカブシリーズの一員である。