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2018年2月21日

第38回JAIA(日本自動車輸入組合)試乗会に参加しました。その様子をお伝えします。(レポート:片山光夫)

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今年で第38回となったJAIA(日本自動車輸入組合)の試乗会に参加したのでその一部を報告する。参加したのは日本に海外から自動車を輸入する17社で、試乗に提供されたのは80近い車種、大磯プリンスホテルを会場に、メディア向け二日間、フリーランス向け一日の都合三日間の試乗会だった。

私が参加したのは2月7日、メディア向け試乗日の二日目で、寒いながらも快晴の中で合計15車種を四人のドライバーで乗りまくった。いわゆるスーパーカー系の車種を除くと、SUVに近い車種が非常に多かったことが印象に残った。ほとんどすべての車に何らかの周囲監視や追突回避目的などの安全装置が取り付けられていたが、今回の試乗では走行性能などを中心に比較したので、これらについてはあえてコメントをしていない。また車種選択は最終的には主催者側の抽選により決定されるため、必ずしも希望する車を試乗できるわけではないことをお断りしておく。このうち印象に残った3台についてコメントしたい。


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1)アウディSQ5
アウディは、日本市場向けの10車種が試乗用に提供されており、このうち最初に試乗したのがSQ5、V型6気筒3Lインタークーラー付きターボの中型高級SUVだった。外見はややいかついSUV然としたデザインで、フロントグリルの五輪マークがアウディであることを強調している。パワー、操縦性共にアウディ共通のスムーズできっちりした仕上がりで、四輪駆動の走行性能には全く破綻が無い。変速は8段のティプトロニクスで、スムーズさとギヤチェンジの確実さが更に進化した。
印象深かったのはオプションとして付いていたバ-チャルコックピットと呼ばれる計器パネルで、通常メーター類の並ぶ面にナビの画面が現れるものである。筆者は以前からフロントガラス下部にホログラフのように地図が示されるのが「究極のナビ」と考えているのだが、このバーチャルコックピットはそのひとつ手前の物といえそうだ。現れるナビ画面も美しく、この車の魅力の大きな要素であった。外見は角張った太い塊のようなデザインで、美しいというよりは、居住性重視である。
これだけの内容で900万円近い基本価格は、車に何を求めるかで評価が分かれるが、所有する満足感は他車を持って代え難いであろう。この後で直列4気筒2Lのインタークーラーターボを備えたほぼ同じデザインのQ51stエディションも短時間試乗したが、その基本価格約700万円との200万円の値差をパワーの差だけで評価できるのかは微妙なところである。


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2)Alfa Romeo Jiuria Super
久々に試乗するアルファロメオのスポーツカーだが、外見はスポーティーな4ドアセダン風で優美な高級感がある。直列4気筒2Lにインタークーラー付きターボが200馬力を生み出し、今では数少ないFRレイアウトの車を軽々と駆動する。変速は8速のATでスムーズかつダイレクトであるが、アウディのティプトロニックに比べ変速の継ぎ目がやや感じられた。室内はイタリア伝統の包み込むようなレザーシートで居住性に問題はない。ひとつ気になったのは左足を乗せるフットレストが設けられていないことで、これはぜひとも追加して欲しい。
この時同時に比較試乗したのはVWゴルフのGTEで、VWの堅実で律義な走りに対して、ジュリアはコーナーを曲がろう、曲がろうとする積極的な性格で、これがFRの真骨頂だと思った。卑近な表現をすると、VWの正妻的な折り目正しさに比べ、アルファは愛人のような魅力と危うさとがある。別の言い方をするなら、その魅力にとりつかれて、どんな運転をするか心配になってしまう......という点で「息子にはうっかり渡せない車」ともいえる。
当日試乗した範囲では最高速度も限られており、FRのそれ以上の特性を感じることも出来なかったが、与えられた道路を(できればワインディングロードを)安全に素早くかつスタイリッシュに走ることが叶えられる点で、このジュリア・スーパーの540万円台の基本価格は、アルファロメオのブランドとそれなりの性能を望む人にはお買い得だろう。


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3)Renault Megane GT
3番目はルノーメガーヌGTである。10年以上前に発表された特異なデザインから発展したGTは、直列4気筒1.6Lにターボチャージャー付で205馬力を発揮するスポーツモデルで、4コントロールと呼ばれる4輪操舵システムによる革新的コーナリングレスポンスを備えた車である。これは高速では前輪と後輪を同じ方向に操舵し、低速では逆方向に切ることにより素早い旋回性を得るシステムで、昔日産でも一時採用した方式だ。4輪操舵システムといえども一般道を走るうえでは普通のシステムとさほど変わりは無く、ラリーなどで狭いワインディングを攻める時にその特徴が活きるだろう。約1400キロの車体を電子制御式7段ATでFF駆動し、きびきびとした動きが売りの車である。
外形は昔のメガーヌの面影はあまり感じられず、むしろルーテシアなどと同様の現代的なルノーデザインで、寸法も日本で扱いやすい約4.4m×約1.8mの範囲である。基本価格は国産車並みの334万円で、個性的な外国車を持ちたいユーザー層には受け入れやすい値段設定である。ルノーは小型車種で着実に日本市場に食い込んでおり、この車も最新鋭の製品ラインアップを構成する重要な一台となろう。