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第61回  りんくう7 DAY 2015
2015.6.27

今回は新型車の試乗記ではなく、6月6日に大阪のりんくう公園で行われたRX-7ファンの集い、「りんくう7 DAY」に関する短い感想と、集まったRX-7の写真をごらんいただくことにしたい。「りんくう7 DAY」というミーティングはこれまでその存在は知っていたが今年で13回目。今回主催者の依頼をうけて初めてイベントに参加したが、その規模、多くのRX-7を愛してくださっているオーナーとその愛車に接することができたこと、主催者の情熱、そして全てがボランティアで行われていることに、2代目RX-7の育成と、3代目RX-7の開発に関わった者として大変感動した。「クルマ文化」定着へのハードルが高い日本における非常に貴重なイベントであり、今後も是非とも継続されることを期待したい。

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まずは上記の広角レンズで撮られた今回の「りんくう7 DAY」の様子をごらんいただきたい。生憎このコラムでは上記のように3分割せざるを得なかったが、イベントの雰囲気とスケールは十分にご理解いただけるだろう。参加車両は、350台以上とこれまでの記録を更新したとのこと。中村屋さんというロータリーエンジン車用のCPUを本業とする会社の社長中村英孝さんの情熱に呼応したイベントで、頭が下がるのは、北海道を含む全国各地から集まったRX-7が、いずれもオーナーのRX-7に対する愛情を示すがごとく、素晴らしいコンディションに保たれていることと、主催者、ボランティア、参加者の情熱によりこのイベントが成立していることだ。

『旧車を愛する』ことは、『クルマ文化』の定着にとって欠くことのできない重要な要素であり、このようなイベントがますます盛んになってほしいところだが、旧車に対する税金の増額などは絶対に許し難いもので、是非とも皆様方とも協力しながら主張してゆきたい。アメリカのカリフォルニア州では、25年を超える旧車には税金がかからないだけではなく、車検の更新も必要なく、公道上を走れるナンバープレートが配布されることなどを是非とも見習ってほしいものだ。

「りんくう7 DAY」の内容に関しては中村屋のホームページの中にあるので私からのご報告は省き、是非以下をのぞいてみてほしい。

http://recharge.jp/blog/

アメリカにもSevenStock(セブンストック)という同種のファンミーティングがある。第3回までは南カリフォルニアのRX-7ファンの集いで、参加台数は40台から50台程度だったが、主催者の強い希望を受けいれて、第4回からは、私の古巣、北米マツダの研究開発部門とサービス部門の駐車場を開催の土曜日に全面開放し、周辺の複数の会社にも来場者の駐車のためにスペースを提供してもらい、毎年500台から600台のロータリーエンジン車と、5000人近い人たちが全米から集まってくれるようになった。フロリダ、テキサス、シアトルなどからコンボイを組んでの来場もあった。それでもスペースが足らなくなったため、第9回から第13回までは北米マツダの本社駐車場に変更、私は第4回から第12回までは欠かさず出席した。

第14回からは、開催場所が、走行も可能なフォンタナスピードウェイに変更され今年が第18回目となる。近年参加台数、参加者数が下降気味なのは一寸心配だが、このイベントもすべてがボランティアの手によるものだ。SevenStockとはいうものの、RX-7に限らず、全てのロータリーエンジン(RE)車が対象なので、近年はRX-8の台数も増え、RX-7の参加台数はとても350台には及ばない。それゆえ、7DAYは世界最大のRX-7の集まりであると言って間違いないだろう。

今回深い感銘を受けた「りんくう7DAY」だが、一方では主催者側の悩みもあり、今回のイベント終了後中村屋社長の中村英孝さんからいただいたメールは来年以降どのようにすれば継続できるかという悩みに満ちていたので、以下をご本人のご了解も得たのでご紹介したい。

『来年以降のりんくう7DAYの開催で苦悩している。多くのボランティアスタッフのお蔭で成り立っているイベントだが、施設、安全管理、食品、健康管理、熱中症対策、暴徒乱入対策などバカにならない経費がかさむ。他社との連携も検討したが、出資や、イベント協力にまで至っていない。経費の問題もそうだが、今回の一番大きな問題はボランティアスタッフに怪我人が出た事だ。原因は明白で、あれほど大きなイベントを、15人のボランティアスタッフでサポートしてもらったが、350台ともなるとドアも開けられないほどびっしりとクルマを並べなくてはならず、障害者スペースも取れない。また朝にならないと会場に入れないため、朝の入場開始時には、会場担当の泉佐野警察と連携し、警備員を6名配置したものの、800mもの渋滞が起こり、近隣からの苦情、渋滞による一般通行車輌とのトラブル回避に翻弄した。かといって会場内のボランティアには公道上での交通整理は危険なので要請するわけにはいかない。

来場者の多くは全国各地から一年に一度、RX-7の聖地を目指して、ガソリン代、高速通行料、宿泊費などを払って、愛車に乗って集まって下さるので、マツダ&REで30年もメシ食ってきた自分としては、ファン感謝という名前を使う以上、入場料を別途いただきたくはない。遠くから来られた方々に、せめてコーヒー一杯、おにぎり一個でも無料でお渡しし、イベント内容を充実させるのが主催者である私の仕事だと思っているからだ。しかし私個人で行うには余りにも大きすぎるイベントになってしまっている。』というのがその要旨だ。

日本における「クルマ離れ」は言われ始めてかなりな年月がたつが、改善どころか、むしろ年々拡大しつつあるといってもよく、中でも将来の日本の自動車産業を担ってもらう若者たちのクルマ離れは深刻な問題だ。そのような中で今回「りんくう7DAY」に出向き、若者も含む多くの来場者に接することが出来たのは大きな喜びだ。

改めてこのようなイベントの開催に尽力されている中村屋さんはじめボランティアの皆様に心から感謝するとともに、今後の継続と発展を心から願っており、たまたま中村さんが上京されたのを機に、長期間にわたるロードスタークラブの運営とともに、軽井沢におけるロードスターミーティングを20年も成功裏に継続してこられた(今年5月のミーティングには何と1,300台が参加!)、ロードスタークラブオブジャパン代表の水落正則さんとのミーティングを持たせていただいたが、このご紹介が今後の「りんくう7DAY」にとって意義あるものになることを期待したい。もちろん私も継続のための協力を惜しまないつもりだ。

最後に、今回中村さんの依頼を受けて私の面倒を見てくれた若きRX-7ファン井出本巧さんの手記をご紹介しよう。

『今年もりんくう7DAYに参加した。生産中止から13年以上たち、ほぼ全てが自動車税の割増の対象となるRX-7だが、イベント参加台数は増え続け、13回目となる今年は350台を超えた。これだけのRX-7を一同に見ることができるのは世界広しといえどもりんくう7DAYだけだろう。どのRX-7もピカピカに磨き上げられ、同じ仕様は皆無と言う程多様で、見ているだけでも本当に楽しい。加えてショップのデモカーなどもところ狭しと並び、モーターショー顔負けの光景だ。ステージでは各ショップ代表の貴重なスピーチや、レアな協賛商品のじゃんけん大会などが行われた。残念ながら、私はスタッフとして参加したので、ステージ関係のイベントには参加出来なかったが、その盛り上がりに大いに感激した。

私事だが去年家族が増えて、育児中ということで、今回は参加を断念していたが、主催者からの依頼を受けて家族の了承のもと参加した。2シーターのRzに乗ってきたが、家族全員で乗れるように、この度の車検時に4シーターに構造変更した。会場でも後席にチャイルドシートがついていたマシンを発見、声をかけさせてもらった。りんくう7DAYでチャイルドシートの話をするようになるとは思わなかったが、FD3Sにいつまでも乗っていたいとしみじみ思った。

今回は、ゲストの案内とゲスト賞の選定補佐が任務だったが、ゲスト賞は、ワンオーナーで23年間乗り続けてこられた、FD3Sのユーザー納車第1号車となった。内外装ともすばらしい状態が保たれており、ずっとRX-7に乗り続けたいと思っている私に、勇気と覚悟を与えてくれた。りんくう7DAYは本当に楽しく、毎回いろいろなことを学ばせてくれる。主催者は勿論、会場でお会いした皆様にも心から感謝したい。』

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執筆者プロフィール

1941年(昭和16年)東京生まれ。東洋工業(現マツダ)入社後、8年間ロータリーエンジンの開発に携わる。1970年代は米国に駐在し、輸出を開始したロータリー車の技術課題の解決にあたる。帰国後は海外広報、RX-7担当主査として2代目RX-7の育成と3代目の開発を担当する傍らモータースポーツ業務を兼務し、1991年のルマン優勝を達成。その後、広報、デザイン部門統括を経て、北米マツダ デザイン・商品開発担当副社長を務める。退職後はモータージャーナリストに。共著に『マツダRX-7』『車評50』『車評 軽自動車編』、編者として『マツダ/ユーノスロードスター』、『ポルシェ911 空冷ナローボディーの時代 1963-1973』(いずれも三樹書房)では翻訳と監修を担当。そのほか寄稿多数。また2008年より三樹書房ホームページ上で「車評オンライン」を執筆。

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