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スーパーカブの軌跡
スーパーカブの軌跡
世界を駆けるロングセラー 1952-2018
新訂版
責任編集 小林謙一/自動車史料保存委員会
■定価 本体2,800円+税 ■ISBN978-4-89522-696-7
■2018年10月発売

1958年の発売以来、そのスタイルをほとんど変えずに進化を続け、昨年に新型が登場したスーパーカブ。本書では、時代の要請に対応しながら完成度を高めてゆく、歴代スーパーカブの変遷を今ではほとんど見ることができないカラーカタログ等も含めて紹介、巻末には年表なども収録して解説。2012年刊行の同書の内容に、その後の変遷と新たに発見された情報などを追加した増補新訂版。
※【期間限定】弊社に直接本書のご注文をいただいた場合、送料・着払手数料800円のところ、無料にてお届けいたします(お支払い代金は、書籍の税込代金のみとなります)。ぜひご利用ください。有効期間:2018年10月22日~2018年11月25日まで。ご注文は「直接購入」からどうぞ。

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『スーパーカブの軌跡』についてお伝えしたいこと

【刊行までの経緯を説明します】


この本は、『スーパーカブの歴史』として2012年に発行した版を底本としています。この『スーパーカブの歴史』はおかげさまで完売し、その後本は品切れ状態となっておりました。しかし、2017年にスーパーカブの累計生産台数は1億台を超え、また2018 年には誕生から60 周年を迎えることになり、読者の皆様からも再版を求める声もいただいておりましたので、この機会に単なる重版ではなく、2012年以後の6年間の軌跡を加えて"増補新訂版"として刊行することにしました。

【内容などについてお伝えします】

 スーパーカブは意外なことに、誕生当時の1958年から1960年代前半は幅広いユーザー層をねらい、女性をターゲットとした宣伝をしています。販売が伸びてくると、日常の使用に加えて商業用としての実用性も訴求するようになり、その宣伝手法が変わりました。1960年代後半になると、バリエーションが増えて、排気量も広がっています。
 1970年代になると、豪華仕様のモデルなどがつくられ、1980年代になると、時代に呼応するように省エネルギーに主眼をおいた新しいモデルが登場するようになります。
 1990年代になると、スーパーカブは成熟期を迎え、派生モデルが投入され、商用というよりファッション性の高い仕様も誕生しました。以後、排気ガスや消音などの環境対応を図り、そして、2012年からはスーパーカブの生産工場を海外に移管することになりますが、2017年に再び日本の熊本製作所で生産されることになり、現在に至っています。
 本書では、60年以上も生産され続けているスーパーカブが、日本の経済状況や時代の要請とともに変化してきた軌跡を数多くの画像や広告類の史料によって、理解していただけると思います。これらの広告・カタログ類は、デザインや収録写真がその時代を反映しており、貴重な史料でもあります。この点は、本書の最大の特徴だと考えています。

【スーパーカブに関するいくつかの情報です】

 私は、20年近にわたって、スーパーカブの設計者を初め、開発や販売などに関係してきた様々な方々とお会いし、お話を伺ってきました。中には既にお亡くなりになった方もいらっしゃいます。
 初期のホンダの四輪車の開発責任者を務め、ホンダF-1の設計者であり監督でもある中村良夫氏(故人)は、『自転車は、発明初期こそ様々な形があったが、現在の形になってからほとんど基本形を変えぬまま、100年以上の歴史を経ており、このような例は極めて少ない。スーパーカブもまた、同じようなものであろう』と教えてくれました。技術に対して冷静で厳しい目を持つ中村氏のこの評価を聞いて、私のスーパーカブに対するイメージは、大きく変わりました。
 カワサキマッハシリーズや、Z1/Z2などの名車を開発した技術責任者である大槻幸雄氏は、『カワサキがオートバイ市場に本格的に参入しようと決断したきっかけは、スーパーカブの大ヒットであった。我社が最初に開発した50cc級のモペットは東京帝国大学出身の優れた技術者らが担当したが、販売に踏み切るまでに技術的故障が続発し、販売も結局成功しなかった。小型バイクであっても初めての開発の難しさを痛感した。カワサキはその後、種々の経験を経て大型バイクへの道を進むことになった』とスーパーカブがカワサキにとっていかに大きな影響を与えたかを語ってくれました。大型領域で日本はもとより、海外でも成功を収めているカワサキの歴史に、このような背景があったことは、驚きでもあったのです。
 また、本田宗一郎社長の後を引き継ぎ、二代目社長を務めた河島喜好氏(故人)と1997年に本田技研工業の本社で行なった対談でお聞きした言葉は、『スーパーカブは、あの時代において新機軸の製品であり、今でも高く評価されている。しかし、そこで留まってはいけない。スーパーカブを超える新規なものをつくらないと、日本の基幹産業の一つである二輪車業界の発展につながらない』でした。ホンダを世界有数の四輪メーカーに押し上げた河島氏が、スーパーカブを画期的な製品と価値付けていることに感銘を受けました。

【スーパーカブのファンへの皆さんへのメッセージ】

 本書では、事実関係など基本的な内容はホンダの社史及び当時のリリースや社内報などオフィシャル(公式)史料を基にしてまとめておりますが、歴代のカブシリーズの変遷を解説することのみに留まらず、私がこれまでお会いし、お話を伺ってきた皆さんのお考えやご意見を可能な限り本文中で紹介して、記録として後世へ残したいという願いも込めてまとめています。もし記述や内容等に誤りがあれば、該当する資料と共に編集部宛にいただければ適宜改訂を加えたいと考えています。
 長い期間にわたったスーパーカブに関する取材などに関しては、たくさんの人にお世話になりました。特に本田技研工業株式会社広報部の高山正之様には、1997年に弊社で編集し、刊行した『ホンダスーパーカブ』から20年以上もご協力いただいてきました。この本は、当初は初代スーパーカブC100を中心にしてまとめ刊行しましたが、2001年には1966年にOHCエンジンを搭載して登場したスーパーカブC50系モデルを増補して刊行しました。その後も2004年、2008年、2012年と資料の追加や内容の充実を図り刊行を続け、現在の最新版は、2017年3月に"ホンダスーパーカブシリーズ誕生60周年記念"とし、今までの内容を再編集して最終版として発売しているものです。この『ホンダスーパーカブ―世界戦略車の誕生と展開』は『スーパーカブの軌跡』とは、編集方針も異なる本ですので、姉妹本として、こちらもお読みいただければ幸いです。
小林 謙一

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目 次

■日本のモノづくりの指針にもなるスーパーカブシリーズ/鈴木一義

スーパーカブシリーズの歴史
ロングセラーモデルの軌跡

 第1章 自転車用補助エンジンの時代
 第2章 スーパーカブ誕生
 第3章 新エンジンの搭載
 第4章 経済性をさらに追求
 第5章 新しい時代の幕開け
 第6章 伝統を守る次世代モデル

スーパーカブの歩み
カタログでたどるモデル変遷 1952-2018

 ■スーパーカブシリーズ年表
 ■スーパーカブシリーズ世界累計生産台数グラフ
 ■参考文献
 ■編集・取材・資料協力
 ■編集後記

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