著者は20年前からこれまでに、デトロイトに7回論文発表に行き、フォード博物館に寄って自動車や飛行機と共に蒸気トラクタやガソリントラクタを撮影して喜んでいました(写真1~2)。そのうち、蒸気トラクタはいつ誰が発明したのか、あるいは建設機械は誰が発明しどのように改良されていったのかが知りたくなりました。出張や旅行を利用して欧米の自動車や科学博物館を20ヵ所以上訪問し、欧米の建設機械マニア向け図書、雑誌や歴史書を調べ徐々に建設機械の歴史のあらましがわかるようになってきました。また、何人かの欧米建設機械メーカー関係者とは出張先で夜遅くまで建設機械の歴史談義に花を咲かせました。そこでは、会社買収や倒産などが頻繁に起こっている欧米メーカーの関係者は、会社にではなく、自分が係わった建設機械そのものに深い愛情を持っていることに気が付きました。このような経験をもとに社内の技術雑誌へ建設機械の歴史を投稿したのですが、予想外に好評を得ることができました。そこで、日本建設機械化協会の様々な建設機械メーカーやゼンコンの方にもこの原稿をお見せすると、自分達の様々な経験や思い話をして頂くことができ、洋の東西に関わらず関係者の方々の建設機械への愛着を感じることができました。
一方、著者は米自動車技術者協会(SAE)燃料潤滑油アジア運営委員会に日米自動車メーカーの方々とともに長い間活動をしてきました。最初自動車メーカーの人は、建設機械は特殊な機械だという認識を持っていましたが、そのうち実は建設機械も自動車やバイクと同じようなエンジン、変速機や車体を持ち、抱える課題も同じことに気が付くことになります。言い換えれば、建設機械とはオフロード作業用自動車とも言うことができるので、SAEでは建設機械も対象にしているのです。
自動車ではわかりやすい解説書や歴史書が出ているため、日本の自動車技術や生産技術の素晴らしさに自動車メーカー以外の人達も気が付いています。しかしながら、建設機械は今や世界の市場をリードするだけの実力を持っていますが、日本では建設機械について知っている人はまれです。本書は建設機械の歴史書として書いていますが、読んで頂ければ日本の建設機械が世界でどのような技術レベルにあるかもわかって頂けると思っています。また、自動車の本と同じような感覚で建設機械の入門書として読んで頂き、建設機械に親しみを持って頂ければと願っています。なお本書出版後に、建設機械でもハイブリッド車(写真3)が続々と登場していることを付け加えます。
|