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シューマッハ引退!そして・・・
「モンツァを走るのは今年が最後だね」
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 先日のイタリアGPの優勝記者会見で、ミハエル・シューマッハは、自身の口で引退について語りました。世界中の人が注目していた“その瞬間”を、シューマッハは晴れやかな、そして穏やかな表情で、ファンや家族に対する感謝の気持ちとともに伝えました。昨シーズン頃からシューマッハの去就については、様々なメディアで報じられており、特に今回のイタリアGPでは、来期の体制について正式発表があると言われていたため、引退宣言については予想通りの結果ではあったのですが、10年以上にわたって皇帝として君臨した男の最後が決まり、なんともさみしい気持ちでいっぱいになりました。
 元々私はアンチ・シューマッハ・ファンでした。アイルトン・セナやジャン・アレジのファンであった私には、デビュー間もない頃からセナに対しても「セナの今日の走りは王者として相応しくない」といってのける態度や、勝利のためならどこまでも貪欲に突き進む姿勢が好きにはなれませんでした。そんな思いが少し変わった機会は2003年のブリヂストンの記者会見でした。日本GP前に開かれた記者会見に、たまたま行くことになり、数多くいる記者団に混ざり私は、最前列のど真ん中の席をゲットしました。さすがに目の前にシューマッハを見ることができ、そのオーラに酔ってしまいました。
 2000年から5年連続でチャンピオンを獲得していたシューマッハが昨年わずか1勝のみの不本意なシーズンを過ごしました。レース内容も、らしくないスピンやミスが重なり、若かりし頃の生意気な態度は消え、どこか哀愁さえ漂っているようでした。進退をかけた今年も序盤はふるわず“シューマッハの時代は終わった”そんな声が方々から聞こえてくる中、むかえた今年のサンマリノGP。レース終盤、トップのシューマッハを追い詰めるのは、昨年史上最年少でチャンピオンを獲得したフェルナンド・アロンソ。シューマッハは見事なドライビングで、まったく隙のない完璧な走りで新旧王者対決を制しました。そのレースを見ているときに、私は自然とシューマッハを応援していました。シューマッハに勝ってほしい!と初めて思いました。
 思えば私がF1を見始めたのは1991年第10戦のハンガリーGPでした。友人に薦められるまま、たまたま見たのがきっかけでした。シューマッハがデビューしたのはその翌戦の11戦のベルギーGPだったので、私はかれこれ15年近くシューマッハのレースを見てきたと言えます。これまで積み重ねてきた通算優勝回数90、歴代最多のポールポジション、連勝、年間最多勝・・・ほぼ全ての記録を塗り替えてきたシューマッハの歴史は、そのまま私のF1観戦歴となります。
 毎年なにかが起きるイタリアGP。シューマッハにとってそんなイタリアGPは、フェラーリの地元ということ以上に縁深いサーキットなのかもしれません。初めて乗ったF1マシンで、ベルギーGPにおいて衝撃の予選7番手でデビューしたシューマッハは、突如ジョーダン・チームから、当時のトップチームであったベネトン・チームへと引き抜かれました。ベルギーでは緑色のジョーダンウェアに身を包んでいたのが、わずか数日後のイタリアでは黄色のレーシングスーツをまとっていました。そしてデビューから2戦目にして記念すべき6位初入賞を果たします。2000年のイタリアGPでは、セナの持っていた通算優勝回数に並び、優勝記者会見でそのことについて質問されると、絶句し涙した姿がありました。
 そして迎えた2006年のイタリアGP。大声援のティフォシの期待に見事に応え、そして逆転王者にむけてトップのアロンソに2ポイント差に迫る、会心の勝利で飾りました。この勝利により、今年のチャンピオン争いは例年になく見逃せない展開となりました。歴代優勝回数でアラン・プロストは51勝。セナは41勝。マンセルは31勝と続いています。私の予想ではシューマッハは残り3戦のうち日本GPで優勝、そして8度目のワールドチャンピォンを決め、通算91勝として、その輝かしいキャリアを終えることと思います。残り3戦、2006年F1クライマックス、一瞬たりとも見逃せない!

※今月末をもちまして三樹書房を退社いたします。関係各位の皆様にこの場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。今後は新天地で頑張ります。今後とも変わらず三樹書房をよろしくお願いいたします。

三樹書房 大澤 諭

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